火曜のZoomで、美容室オーナーが「あれ、ハイライト消えた?」とつぶやいた
先週火曜の午後、佐賀の美容室オーナーさんとのZoomだった。ManyChat構築の進行確認で、画面を共有してもらいながらお店のInstagramプロフィールを一緒に見ていたときのことだ。オーナーさんが自分のスマホを覗き込んで、少し困った声で言った。「あれ、ハイライト消えた? プロフィールの丸いやつ、無くなってません?」
画面をよく見ると、プロフィール画像の下に丸く並んでいたはずのストーリーズハイライトが、そこには無かった。代わりに、投稿一覧(グリッド)の上あたりに小さなハート型のアイコンが増えていた。タップすると、「メニュー」「ご予約方法」「お客様の声」といった、これまで作り込んできたハイライトがそのタブの中に縦に並んで出てきた。消えたわけではなく、一等地から一段奥へ引っ越していたのだ。
Instagramは今、ストーリーズハイライトをプロフィール上部の定位置から、ハート型アイコンの“専用タブ”へ移す展開を進めている。Mosseri氏は「ハイライトが投稿を下へ押し下げていた分を解消し、グリッドをより上に見せる(above the fold)ための変更だ」と説明している。運営側の狙いはグリッド優先。だが店舗側から見ると、無料で置けていた常設看板が一枚、玄関から奥の部屋へ動いた話でもある。
今日はこの変更が地方店舗・個人事業主の予約導線に何をもたらすのか、そして今週やっておくべき3つの作り直しを、ManyChat構築125社の動線設計の現場から書いておく。UIが変わるたびに問われるのは「お客さんの足をどこで止め、どこでDMに落とすか」という一点だ。
何が変わったのか:ハイライトは「消えた」のではなく「一段奥」に移った
整理すると、変更点は3つに分けられる。ひとつ目は場所。これまでプロフィール画像のすぐ下、名前や自己紹介文と投稿一覧のあいだに丸いアイコンで並んでいたハイライトが、ハート型アイコンの専用タブへ集約された。プロフィールを開いた瞬間に目に入る“一等地”から、1タップ奥のタブへ移動したことになる。
ふたつ目は見え方。タブの中では、ハイライトが横並びの丸アイコンではなく、テーマ別の縦サムネイルとして並ぶ形に変わる。一覧性は上がるが、そもそもタブを開いてもらえなければ中身は見られない。ひらいてもらう前提が一枚増えた、という理解が正しい。
みっつ目は、一部アカウントに用意されている「選んだハイライトだけグリッド上部に残す」オプション。全部は残せないが、看板として絶対に踏んでほしい1〜2枚だけは上に置き続けられる余地がある。ここが今回いちばん実務に効くポイントで、後述の作り直しの起点になる。
あわせて、プロフィールのグリッド上で投稿サムネイル(表紙)を直接編集できる機能も広がっている。過去の投稿の“表紙”を後から差し替えられるので、先頭に並ぶ投稿を看板として作り替えやすくなった。ハイライトが奥へ引っ込む一方で、グリッド先頭を看板化する道具はむしろ増えている。この二つはセットで捉えると打ち手が見えてくる。
なぜ店舗の予約導線に直撃するのか:ハイライトは無料の常設看板だった
地方店舗や個人事業主にとって、ハイライトは単なる過去ストーリーの保管場所ではない。「メニュー」「料金」「ご予約方法」「アクセス」「お客様の声」「よくある質問」を置いておける、無料で使える常設の看板だった。新規のお客さんがプロフィールを開き、投稿を見る前にまずハイライトで店の中身を確かめる。その流れが自然に成立していた。
その看板が一等地から1タップ奥のタブに引っ込むと、これまで意識せず踏まれていた「予約方法を見る」「メニューを確認する」という導線の露出が落ちる。人は1タップ増えるだけで一定数が離脱する。冒頭のZoomのオーナーさんも、来店予約の入口としてハイライトの「ご予約方法」を頼りにしていた口だった。そこが見られにくくなるのは、看板の位置替えではなく集客動線の設計変更に近い。
逆に言えば、グリッド最上段——プロフィールを開いて最初に目に入る先頭3枚の重要度が一気に上がる。運営が投稿を上に見せたいのなら、店側もその先頭3枚を「看板」として作り替えるのが素直な対応になる。ハイライトに任せていた役割を、グリッド先頭のピン投稿へ移し替える。そこからコメントや保存をきっかけに自動DMへ流す。UIの変更を、動線を組み直す機会に変えるという発想だ。
今週やるべき3つの作り直し
ここから、冒頭のオーナーさんと実際に進めた作り直しを3つに分けて書く。特別なツールは要らない。今のInstagramの標準機能と、コメントからDMへ落とす仕組みだけで組める。
落とさなくていいのは、お客さんの足を
止めてDMに落とす動線そのもの。
UIは毎シーズン動く。だから「入口の置き直し」を仕組みにする
ハイライトの格下げは、単発の不運ではない。グリッド並び替えの解禁、営業時間バナーのテスト、DMの編集とピン留め——ここ数ヶ月だけでも、Instagramのプロフィール周りは毎シーズン形を変えている。そのたびに「入口をどこに置き、どこでDMに落とすか」を組み直せるかどうかが、露出の目減りを防げる店とじわじわ問い合わせが減る店の分かれ目になる。
SUICSがManyChat構築125社でやってきたのは、まさにこの入口の置き直しそのものだ。ツールを売るのではなく、「お客さんの足がどこで止まり、どのきっかけでDMに動くか」という動線の設計を商品にしている。だからUIが変わっても、看板の役割をどの投稿に移し、どのコメントを引き金にするかを、店ごとに組み替えられる。今回のハイライト移動も、慌てて何かを足す話ではなく、既にある看板の中身を先頭へ移し替える整理の話だ。
ここで注意したいのは、仕様変更のニュースを見るたびにプロフィールを丸ごと作り替えないこと。触るのはいつも「先頭3枚と、そこから伸びるDM動線」の一点でいい。看板の中身(予約・メニュー・口コミ)は変わらないのだから、置き場所と引き金だけを今のUIに合わせて動かす。この一点に絞る癖がつくと、Instagramが次に何を変えても、慌てずに半日で入口を組み直せるようになる。冒頭のオーナーさんも、この3つの作り直しを終えたあとは「また変わっても、先頭とコメントを直せばいいんですね」と、次の変更を怖がらなくなっていた。
グリッド先頭を看板に組む具体的な並べ替えは 「Instagramグリッド並び替え解禁|先頭3枚を看板に組む設計」 記事に、店舗の営業時間や予約情報をプロフィールで見せる動線は 「営業時間バナー|地方店舗が準備すべきDM動線3設計」 記事に詳しくまとめてある。今回の作り直しと合わせて読むと、先頭3枚まわりの打ち手がひと通り揃う。