9月12日の朝、駅のホームで開いたコメント欄に、写真が3枚並んでいた。自動DMは0通だった
9月12日、土曜の朝8時。電車を待つホームで、前の週に自動返信を組んだ雑貨店のリールをスマホで開いた。「新作のマグカップが届いた人は、コメントで教えてください」という投稿だ。コメント欄をスクロールすると、文字のコメントに混ざって、お客さんが撮った写真が3枚並んでいた。届いたばかりの箱を開けた写真、朝のテーブルに置いたマグカップの写真、犬の横に置いたマグカップの写真。店主が欲しがっていた「お客さんの写真」が、頼んでもいないのに集まっていた。
ところが、この3人には自動のDMが1通も出ていなかった。管理画面を開いて分かったのは、3人とも写真だけを貼っていて、文字を1文字も書いていなかったことだ。自動返信は「とどいた」という言葉に反応する設定にしていた。写真には言葉がない。だから動かない。店主が「コメントで教えて」と書き、お客さんは写真で教えてくれたのに、その先の「ありがとう」と次回のクーポンは届かなかった。写真コメントの時代に店が最初につまずくのは、写真の載せ方ではなく、載せてもらったあとの受け方だ。この記事では、自分のアカウントで写真を載せる手順と、お客さんに載せてもらう3つの頼み方、そして写真だけでは自動DMが届かない理由を、9月22日の朝に開いた公式ヘルプの記載と、この雑貨店の翌週の数字で書く。
自分で載せる手順は1つだけ——コメント入力欄の写真アイコンを押して、1枚選ぶ
先に、自分のアカウントで写真を載せる手順を書く。Instagramのアプリで投稿かリールを開き、コメントの入力欄を見る。入力欄の右側に写真のアイコン(カメラや山の形のマーク)が出ていれば、それを押してスマホの中の写真を1枚選ぶ。選んだ写真がそのままコメントとして載る。文字を添えることもできるし、写真だけでも送れる。手順はこれで全部だ。特別な設定はいらない。
ただし、2つ知っておくことがある。1つ目は、この機能が2026年7月から順番に配られている途中で、9月22日の時点でもアイコンが出ないアカウントがあることだ。アプリを最新にしても出ない場合は、まだ順番が来ていない。待つしかない。2つ目は、Instagramのヘルプセンター(公式の説明書のページ)に、この機能の手順を書いたページが9月22日の朝の時点で見つからないことだ。何枚まで載せられるか、動画は載るか、消したらどうなるかは、公式に文書がない。だからこの記事では、自分の端末で確かめられた「1枚選んで載せる」までを書き、それ以上は断定しない。
もう1つ大事なのは、店がやりたいのは自分で載せることではない、ということだ。店の投稿のコメント欄に、お客さんの写真が並ぶ。それが店にとっての本題で、自分で載せるのは練習にすぎない。ここからは、お客さんに載せてもらう側の話をする。
お客さんに写真を貼ってもらう3つの頼み方——言葉、場所、返し方
「写真を貼ってください」と1行書くだけでは、貼ってもらえないか、貼ってもらえても店が受け取れない。雑貨店の失敗のあと、9月13日からの1週間で店主と一緒に直した3つの頼み方を書く。
写真だけでは自動DMが届かない理由——自動返信は「言葉」を読んでいて、写真は読んでいない
ここが、この記事でいちばん伝えたいことだ。ManyChat(DMの自動返信を店が自分で組んで動かす道具。SUICSはこの設計と構築を仕事にしている)の公式ヘルプを9月22日の朝に開いて、コメントに反応する仕組みの決まりを確認した。コメントへの自動返信を作る時、反応する条件は3つから選ぶ。「決めた言葉が入っているコメントだけ」「決めた言葉が入っているコメントは除く」「どのコメントでも」の3つだ。店のほとんどは1つ目の「決めた言葉」、つまり合言葉の方式で組んでいる。合言葉の方式は、コメントの中の文字を読んで、決めた言葉があるかを見る。写真だけのコメントには文字がない。読むものがないので、自動返信は動かない。雑貨店の3枚の写真にDMが出なかったのは、故障ではなく、この決まりどおりの動きだった。
「なら、どのコメントでも反応する設定にすればいい」と思うかもしれない。ここは正直に書く。「どのコメントでも」の設定で、文字のない写真だけのコメントに自動返信が動くかどうかは、公式ヘルプに記載がなく、自分の店でもまだ確かめられていない。確かめられるまでは、写真だけのコメントは「届かないもの」として扱い、合言葉を付けてもらう頼み方で受ける。これが、今日の時点で確実に動く形だ。
あわせて、公式ヘルプに書いてある3つの決まりも押さえておく。1つ目、自動返信は、同じ人が同じ投稿に付けた最初のコメントにだけ動く。2回目以降は動かない。これはInstagram側の決まりで、どの道具を使っても同じだ。2つ目、DMの1通目に入れられる部品は1つだけで、相手が返事かボタンを押して初めて、24時間の会話の窓が開き、名簿に載る。「使ってよいか」の質問をボタンにするのは、この窓を開けるためでもある。3つ目、返事の文面をいつも同じにしていると、Instagramに迷惑行為と見なされることがあるので、公開の返事は数パターン用意して、順番に変わるようにしておく。
店が用意するのは、載せてもらったあとの受け方だ。
載せてもらったあとの守り——非表示ワードは写真に効かない。見る頻度を先に決める
写真が集まるようになると、もう1つ準備がいる。関係のない写真や、他の店の宣伝の写真が貼られた時の守りだ。Instagramには「非表示ワード」という仕組みがあり、見たくない言葉や絵文字の一覧を自分で作っておくと、その言葉を含むコメントを自動で隠してくれる。Instagram公式の説明では、隠せるのは単語・フレーズ・絵文字で、対象は文字だ。写真の中身は、この仕組みでは隠せない。文字のコメントは機械がふるいにかけてくれるが、写真のコメントは人が見るまでそこにある。
だから、写真を集める投稿を出したら、見る頻度を先に決めておく。雑貨店では、投稿した日は朝・昼・夜の3回、翌日からは1日1回、コメント欄を開くことにした。見た時にやることも3つに絞った。歓迎する写真には公開でお礼を返す。関係のない写真や宣伝は消す。ひどいものは報告して、その人を制限する。Instagram公式の説明では、「制限」は相手に知らせずに、その人のコメントが自分に通知されなくなる機能で、「ブロック」より軽い対処として用意されている。写真の頼み方を投稿する前に、この3つの対処を決めておくと、集まった日にあわてない。
雑貨店の翌週の数字——写真だけ3枚・DM 0通が、写真+合言葉9件・DM 9通になった
9月13日から19日の1週間で、雑貨店で直したことと、その数字をそのまま書く。直したのは3つ。投稿の本文の最後と固定コメントに「マグカップの写真と『とどいた』の4文字を一緒にコメントしてください」と書き直した。写真を集める投稿を1つに決め、プロフィールの固定投稿に置き、ストーリーズから毎日1回その投稿へ案内した。自動返信を、合言葉が付いたら公開で「ありがとうございます」を返し、DMで「写真をストーリーズで紹介してもいいですか」のボタンを送り、「いいよ」を押した人にだけ次回500円引きの案内を送る形に組み直した。
結果はこうだ。1週間で、写真付きのコメントは12件。そのうち、写真+合言葉が9件、写真だけが3件。9件には自動でDMが届き、7人が「いいよ」のボタンを押し、5人の写真をストーリーズで紹介した。写真だけの3件は、やはりDMが出なかったので、店主が公開で手で返した。9月12日の朝に見た「写真3枚・DM 0通」が、頼み方を直しただけで「写真9件・DM 9通」になった。機能は何も変わっていない。変えたのは、頼む言葉と、場所と、返し方の3つだけだ。
1つ、直しきれなかったことも書く。写真だけの3件のうち2件は、頼み方を書き直す前の投稿を見て来た人だった。古い投稿の本文は直したが、その人がすでに読んでいた分は戻せない。頼み方は、写真を集め始める前に決める。始めてから直すと、直す前に読んだ人の分だけ、取りこぼしが残る。
最後に:写真が集まるコメント欄は、店がいちばん安く手に入る「お客さんの声の展示室」だ
お客さんが自分の店の商品を撮って、店の投稿に貼ってくれる。これまでは、DMで写真を送ってもらうか、店の名前を付けて投稿してもらうか、どちらかを頼むしかなかった。写真コメントは、そのどちらより軽い。コメント欄を開いて、アイコンを1回押すだけだ。集まった写真は、次に見に来た人が買う前に目にする、いちばん信用される説明になる。店が用意するのは、載せてもらったあとの受け方だけでいい。
今週やることは3つ。写真を集める投稿を1つ決める。その本文と固定コメントに「写真+合言葉」の頼み方を書く。合言葉に反応する自動返信に、「使ってもいいですか」のボタンを1つ足す。アイコンがまだ出ないアカウントでも、頼み方は今日から書ける。順番が来た日に、コメント欄はもう受け皿になっている。