Notes / Instagram

ハイライトが「常設の看板」になる。
店舗が今日そろえる5枠の型

2026.08.16

母から送られてきたスクショに、去年の年末年始の営業案内が写っていた

昨日の夕方、実家の母からLINEでスクリーンショットが1枚届いた。「このパン屋さん、今日開いとる?」という一文つきで。写っていたのは、近所のパン屋のInstagramハイライト「営業時間」の中身だった。開いてみると、そこに置かれていた画像は「年末年始のお知らせ 12/30〜1/3は休業します」。8月の日曜に、去年の年末の案内が看板として立っていた。

母は電話をかけるでもなく、DMを送るでもなく、私にスクショを転送して終わった。つまりこのパン屋は、行く気満々だった客を1人、静かに取り逃がしている。腹が立つ話ではなく、これはお店の怠慢でもない。ハイライトを更新するには、これまで一度ストーリーズに投稿して、24時間流してから、そこに保存し直すという手順が必要だった。看板を1枚差し替えるだけなのに、既存のフォロワー全員のタイムラインに「営業時間のお知らせ」を流す必要があった。その面倒くささが、半年前の情報を8月まで残す。

その仕組みが、今まさに変わろうとしている。Instagramが、ストーリーズを経由せずコンテンツを直接ハイライトへ追加できる新しいフローをテストしているのだ。まだ全アカウントには降りていない。だからこそ今日は、機能が来る前に手を動かしておく話を書く。

「24時間の残骸置き場」から「プロフィールの正式なセクション」へ

海外のSNS運用メディアNapoleonCatが2026年8月のアップデートまとめで報じたところによると、Instagramは今、ストーリーズへの投稿を挟まずに直接ハイライトへ追加できる導線をテスト中だという。同メディアはこの変更を「ハイライトがストーリーズのアーカイブではなく、プロフィールの正式なセクションに近づく」と評価している。

この一段の省略が持つ意味は、機能の便利さの話にとどまらない。ハイライトの正体が変わる。これまでのハイライトは、構造上どうしても「24時間で消えるものを、消えないように取っておいた場所」だった。だから中身も自然と、イベントの様子・入荷の告知・スタッフの日常といった「流れていくもの」に寄っていた。ストーリーズを挟まなくてよくなると、ハイライトは最初から消えない前提で作る場所になる。メニュー表、料金の考え方、アクセス、お客様の声、よくある質問——つまり、店の常設ページだ。

ここで思い出しておきたいのが、2026年8月上旬の別の変更だ。Instagramはハイライトをプロフィール上部の丸いアイコン列から、専用のタブへ移した。この件は 「Instagramハイライトが"専用タブ"に格下げ」 記事に書いた通りで、露出という意味では一等地から一段奥へ引っ越している。

格下げと、直接追加。相反するようで、2つは同じ方向を向いている。Metaはハイライトを「目立たせる場所」ではなく「調べに来た人が答えを見つける場所」として作り直している。通りすがりに目に入る看板から、気になった人が自分で開く常設ページへ。役割が変われば、置くべき中身も変わる。

看板の更新コストが実質ゼロになる。
そのとき差がつくのは、
「どの枠に何を置くか」を決めてあるかどうか。

今日そろえる、ハイライト5枠の型

ManyChat構築で125社の店舗アカウントを見てきて、ハイライトの中身には共通の失敗パターンがある。枠がやたら多く、名前がバラバラで、順番に意味がないことだ。「2024夏」「イベント」「スタッフ」「新商品」「お知らせ」「日常」——見に来た人が知りたい情報が、どこにあるか分からない。

枠は5つでいい。しかも順番に意味を持たせる。初めて店を知った人が、左から順にタップするだけで判断を終えられる順番に並べる。これが5枠の型だ。

Highlight 01
はじめまして — この店は誰の何を解決するのか
3〜4枚/初回訪問者の「ここで合っているか」を30秒で解決する
店名・場所・営業日・誰向けの店かを、文字で読める形で置く。写真だけの雰囲気カットは1枚までにして、残りは文字中心にする。ここで一番効くのは「こういう人に来てほしい」という一文だ。「肩こりの慢性化に困っている40代以降の方へ」と書いてある店と、「心を込めた施術を」と書いてある店では、初めて見た人が自分ごと化できる速さが違う。
置く
店名・場所・対象
避ける
雰囲気写真だけ
更新
年1回
Highlight 02
メニューと料金の考え方 — 数字を画像の中に隠さない
5〜8枚/最も更新頻度が高く、最も見られる枠
メニュー名・所要時間・料金を、1枚1メニューで並べる。ここで大事なのは、Instagram側の文字入力機能で文字を打つことだ。Canvaなどで作った画像を貼るだけだと、その文字はプラットフォームからもAIからも読み取られにくい。Instagram投稿がGoogle検索に出るようになった今、ハイライト内のテキストも「読まれる資産」として扱った方がいい。料金改定のたびに差し替える枠なので、直接追加が実装されたら真っ先に恩恵を受けるのがここになる。
置く
1枚1メニュー
避ける
画像の中の文字だけ
更新
改定のたび
Highlight 03
お客様の声 — 加工せず、原文のまま置く
6〜10枚/最も「増やしやすく」最も後回しにされる枠
DMやGoogleの口コミでもらった感想を、そのままの言葉でスクリーンショットして並べる。文章を整えたくなるが、整えた瞬間に効かなくなる。「肩が軽くなりました」より「朝、枕から頭を上げるのがラクになった」の方が刺さるのは、後者が実際の生活の言葉だからだ。ハイライトの中で、自分の言葉ではなく他人の言葉が入っている唯一の枠になる。ここが厚い店は、DMでの説明が要らなくなる。
置く
DM・口コミ原文
避ける
きれいに整えた要約
更新
月1〜2枚追加
Highlight 04
よくある質問 — DMで毎回説明していることを全部移す
8〜12枚/自動DMの文章を短くする、裏方の主役
駐車場はあるか。子ども連れで行けるか。当日予約は取れるか。支払い方法は何が使えるか。キャンセルは何日前までか。DMで同じ答えを3回以上打ったことがある質問は、全部この枠に移す。1枚に質問1つ、答え3行。作るのは面倒だが、一度作れば以後DMの往復が減る。しかも質問と答えの形式は、AI検索に拾われやすい形でもある。店のHPを持っていない事業者にとっては、ここが実質のFAQページになる。
置く
質問1つ+答え3行
避ける
長文の説明書き
更新
聞かれるたび追加
Highlight 05
ご予約・お問い合わせ — 出口を1つに絞る
2〜3枚/ここまで来た人を迷わせない
01から04まで見た人は、もう検討を終えている。ここでやることは選択肢を増やすことではなく、減らすことだ。「予約は電話でもDMでもWebでもLINEでも」と4つ並べると、人は決められなくなる。出口は1つに絞り、そこへ進む合言葉を1語だけ書く。SUICSが組む場合は、この枠に「投稿に『予約』とコメントしてください」の一文を置き、コメントを拾って自動DMを返す。ハイライトで検討が終わっているので、DMは日程調整だけで済む。
置く
出口1つ+合言葉
避ける
連絡手段の並列4つ
更新
導線を変えたとき
Highlight → DM Flow
5枠で検討を終わらせ、DMは日程調整だけにする
PROFILE → HIGHLIGHTS → DM 01 / はじめまして 誰の何を解決する店か。ここで合っているかを30秒で判断させる 02 / メニューと料金 1枚1メニュー。文字は画像に埋め込まず、読める形で置く 03 / お客様の声 DM・口コミを原文のまま。整えず、生活の言葉のまま並べる 04 / よくある質問 DMで3回以上答えた質問を全部移す。質問1つ+答え3行 05 / ご予約・お問い合わせ 出口は1つ。進むための合言葉を1語だけ書く コメント → 自動DM / 説明ではなく日程調整だけ 検討はハイライトで完了済み。DMが短いほど、離脱は減る

ハイライトが厚くなると、自動DMが短くなる

SUICSがManyChatを組むとき、いちばん時間をかけているのはDMの文章ではなく、DMの前後にある「説明の分担」だ。自動DMの離脱は、たいてい文章が長いところで起きる。料金の説明、所要時間の説明、キャンセル規定の説明——ぜんぶDMに詰め込むと、読む側は3通目で疲れる。

ハイライトの5枠が埋まっている店は、DMから説明を全部抜ける。「ご予約ありがとうございます。ご希望の日時を第3希望まで教えてください」の1通で終わる。返信率は、この短さで変わる。会話型コマースの設計については 「『プロフのリンク』はもう踏まれない」 記事に詳しく書いた。

もう1つ、機能が来る前にやっておくべきことがある。更新の当番を決めることだ。直接追加が実装されると、ハイライトの更新は「誰にも通知されない、静かな作業」になる。静かな作業は、放っておくと誰もやらない。月に1回、15分だけ「ハイライト点検の日」をカレンダーに入れる。見るのは02(料金は今のものか)と04(先月DMで3回以上答えた質問はないか)の2枠だけでいい。冒頭のパン屋の「年末年始のお知らせ」は、この15分があれば1月4日に消えていた。

並べる順番そのものを見直したい場合は、プロフィールのグリッド側と合わせて設計するのが早い。グリッド先頭3枚の使い方は 「Instagramプロフィール『グリッド並び替え』解禁」 記事にまとめてある。

機能が来てから慌てる店と、来る前に埋めてある店

直接追加はまだテスト段階で、いつ全体に降りてくるかは公表されていない。だから今日の結論はシンプルだ。機能を待つ必要はない。今日、5枠の名前だけでも決めておく。中身は、既にストーリーズで流したことがあるものを拾い直せばいい。ゼロから作る作業ではない。

機能が降りてきたときに得をするのは、「どの枠に何を置くか」が決まっている店だけだ。決まっていない店は、更新が簡単になったところで、何を更新すればいいか分からないまま半年前の情報を残す。差がつくのは機能の有無ではなく、設計の有無になる。

母がスクショを送ってきたパン屋は、パンがおいしい。それだけに、8月の日曜に去年の年末の看板が立っていたのがもったいなかった。

SUICS Service — Instagram運用支援 / ManyChat構築
ハイライト5枠の設計から、コメント→自動DMの動線まで。
解決できる悩み:「ハイライトが何年も前のまま放置されている」「どの枠に何を置けばいいか分からない」「DMで毎回同じ説明をしていて時間が取られる」「自動DMを組んだが途中で離脱される」「予約導線がプロフィールのどこにあるか分かりにくいと言われる」「Instagramの情報とHPの情報がバラバラで統一されていない」。125社の構築実績をもとに、ハイライトの枠設計・キャプション設計・コメント→自動DM→予約までを1本の動線としてお渡しします。
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