Notes / Instagram

【2026年9月最新】Instagramで“お客さんの投稿”を
店のグリッドに並べられる時代へ。
タグ付け→お礼DM→看板化の3設計

2026.09.11

水曜の夜、出張先の居酒屋で、隣の席の二人が撮った写真は、店のプロフィールには載らなかった

9月9日、水曜の夜。出張先の駅前で入った小さな居酒屋のカウンターで、隣の席の二人組が、届いたばかりの刺身の盛り合わせを何枚も撮っていた。「ここ、タグ付けしとくね」と一人が言って、店の名前を探して投稿した。店主は厨房から「ありがとうございます」と声をかけていた。いい店だな、と思って、帰りの電車でその店のInstagramを開いた。

プロフィールに並んでいたのは、店主が撮った暗めの料理写真が12枚。さっきの二人が撮った、湯気の立つ明るい刺身の写真は、どこにもなかった。当たり前だ。他人の投稿は、自分のプロフィールの一覧には載らない。載せたければ、写真をもらって自分で投稿し直すしかなかった。店主にそんな時間はない。

その翌日、9月10日。Instagramが、まさにこの「他人の投稿を、自分のプロフィールの一覧に並べる」機能を発表した。お客さんが撮ってくれた写真が、投稿し直さずに、店の看板になる。ただし、この機能には、日本のお店が特に気をつけるべき落とし穴が1つある。今日はその落とし穴と、乗り越えるための3つの設計を書く。

先に結論——「タグ付けされた投稿」を「グリッドに追加」できる。ただし、見えるかどうかは相手の設定しだい

言葉を2つだけ、そろえておく。「タグ付け」は、誰かが自分の投稿の写真に、お店のアカウント名を貼り付けることだ。「グリッド」は、プロフィールを開いたときに並ぶ、投稿の一覧のことだ。これまで、タグ付けされた投稿は、プロフィールの中の「タグ付け」という別のタブに集まるだけで、メインの一覧には出なかった。

2026年9月10日、Instagramは、タグ付けされた投稿をメインのグリッドに追加できる機能を発表した。この記事を書いている時点では、Instagramの発表を伝えたTechCrunchとEngadgetの記事(どちらも9月10日付)で内容を確認している。Instagram公式のヘルプページにはまだ反映を確認できていないので、細かな画面の文言は変わる可能性がある。その前提で、確認できた内容は次のとおりだ。

追加する入口は3つ。タグ付けされたときに届く通知のDMから、投稿の右上の「…」メニューから、そして「タグ付け」タブで投稿を長押しして、から。追加しても、元の投稿は消えず、複製もされない。追加した投稿は、自分のグリッドから、いつでも外せる。外しても「タグ付け」タブからは消えない。追加した投稿は新しい順に並ぶが、並び替えもできる。世界中に順次広がっている途中で、この記事の時点ではまだ出ていないアカウントもある。

そして、いちばん大事な一文がある。「追加」のボタンの下に、こう書かれている。自分のプロフィールに追加しても、誰に見えるかは、自分のアカウントと、タグ付けした相手のアカウントの公開設定によって決まる。つまり、お客さんが非公開(鍵付き)のアカウントなら、その投稿を店のグリッドに追加しても、そのお客さんをフォローしている人にしか見えない。店を初めて訪れた人には、見えない看板になる。

自分の「タグ付け」タブを、上から10件数えてほしい。何件が鍵付きか

この落とし穴が、自分の店でどのくらいの大きさなのかは、今日すぐに確かめられる。自分のプロフィールの「タグ付け」タブを開き、上から10件、投稿した人のアカウントを開いて、鍵のマークが付いているかを数える。日本では、個人のアカウントを鍵付きにしている人が多い。友達だけに見せる使い方が普通だからだ。だから、数えてみると「追加しても、新しいお客さんには見えない投稿」のほうが多い店が、珍しくないはずだ。

ここで、SUICSが自分で確かめた一次情報を1つ置いておく。ManyChat(Instagramの自動返信の道具)の公式ヘルプには、ストーリーズで店をメンション(アカウント名を貼ること)してくれた人へ自動でお礼を返す機能について、「公開アカウントから投稿されたストーリーズのメンションにだけ反応する」と書かれている。つまりInstagramの仕組みは、今回の新機能に限らず、非公開アカウントの投稿は、店の側からは扱えないという前提で組まれている。「タグ付けされた投稿を全部グリッドに追加すれば、店の看板が増える」とは、日本のお店ではならない。公開アカウントのお客さんに、タグ付けしてもらうところまで含めて設計しないと、この機能は「自分のスマホの中でだけ賑やかな看板」で終わる。

ここから、3つの設計を順に書く。1つ目は、頼む導線。2つ目は、返すDM。3つ目は、並べる場所だ。

設計 01
頼む導線——「タグ付けして投稿してください」を、店の中の1枚に書く
お客さんは、頼まれなければタグ付けしない。冒頭の居酒屋の二人組のように、自分から探してくれる人は珍しい。だから、店の中に1枚だけ、頼む場所を作る。レジ横のカード、テーブルの立て札、ネイルサロンなら仕上がりを撮る手元の下に置く小さな板でいい。書くのは3行だ。「写真を撮ったら、@店のアカウント名 をタグ付けして投稿してください」「公開アカウントの方は、お店のプロフィールにも飾らせてもらうことがあります」「タグ付けしてくれた方には、DMでお礼を送っています」。2行目が肝心だ。非公開アカウントの人を責める文にはしない。「飾らせてもらうことがある」という言い方にすると、公開アカウントの人が「じゃあ、載せてもらおう」と思って投稿し、非公開の人は今までどおり気軽に投稿できる。どちらも歓迎する形にする。もう1つ。追加する前に、そのお客さんに一言「プロフィールに飾ってもいいですか」と聞く。仕組みの上では聞かなくても追加できる。だが、自分の写真が知らない間に店の看板になっていたら、うれしい人と、落ち着かない人がいる。一言聞くほうが、長く続く。
置く場所
レジ横・テーブル・手元の1枚
書く文
3行。責めない言い方で
追加する前に
「飾ってもいいですか」の一言
設計 02
返すDM——ストーリーズのメンションは自動で、投稿のタグ付けは通知のDMから手で返す
タグ付けしてくれた人に、お礼を返す。ここで、返し方が2つに分かれる。1つ目は、ストーリーズ(24時間で消える投稿)で店をメンション(アカウント名を貼ること)してくれた場合。これは、ManyChat(Instagramの自動返信の道具)の「Story Mention Reply」という機能で、自動でお礼のDMを返せる。ManyChatの公式ヘルプによると、この機能は「公開アカウントから投稿されたストーリーズのメンション」にだけ反応する。非公開アカウントには反応しない。つまり、自動でお礼が届いた人は、そのまま公開アカウントの人だと分かる。設計01の「公開の人に頼む」と、きれいにつながる。2つ目は、通常の投稿で店をタグ付けしてくれた場合。こちらには、今のところ自動で返す仕組みはない。その代わり、タグ付けされると通知がDMに届き、今回の発表では、その通知のDMから直接「グリッドに追加」ができる。つまり、通知を開いて、お礼を1通返して、そのまま追加する、が1つの画面で終わる。1日1回、閉店後にこのDMを見る時間を5分だけ作る。返す文は決めておく。「お写真ありがとうございます。よろしければ、お店のプロフィールにも飾らせてください」。この1通が、次の来店の理由になる。
ストーリーズのメンション
ManyChatで自動お礼(公開のみ)
投稿のタグ付け
通知DMから手で返す+追加
見る時間
閉店後に5分・毎日
設計 03
並べる場所——先頭3枚のうち、1枚だけをお客さんの写真にする
追加した投稿は、並び替えができる。だから、どこに置くかを決める。おすすめは、グリッドの先頭3枚のうち1枚だけを、お客さんの写真にすることだ。プロフィールを開いた人が最初に見るのは、いちばん上の3枚で、そこは店の看板だ。3枚とも店の写真だと「店が自分で言っていること」にしか見えない。1枚だけお客さんの写真が混ざると、「お客さんが言っていること」が加わる。先頭の残り2枚は、これまでどおり、予約の入口とメニューの写真でいい。3枚ともお客さんの写真にはしない。誰の店か分からなくなる。ここで注意が1つ。お客さんが元の投稿を消したり、アカウントを非公開に切り替えたりすると、その投稿は店のグリッドからも見えなくなる可能性が高い。先頭に置く1枚は、月に1回、まだ見えているかを確かめる。見えなくなっていたら、次の公開アカウントの1枚と入れ替える。入れ替えるたびに「今月の看板」が変わるので、常連さんにとっても、プロフィールを開く理由になる。
置く場所
先頭3枚のうち1枚
残り2枚
予約の入口とメニュー
確かめる頻度
月1回・見えているか
お客さんの写真は、
追加した瞬間ではなく、
見えた瞬間に、看板になる。
Tagged post → Grid — 3 designs
頼む・返す・並べる。3つがつながって、初めて「見える看板」になる
お客さんがタグ付けして投稿する 公開アカウント 追加すれば、新規のお客さんにも見える 非公開アカウント 追加しても、相手のフォロワーにしか見えない 自分の「タグ付け」タブを上から10件数える → 鍵付きが多いなら、公開の人に頼む設計が要る 設計 01 — 頼む 店の中の1枚に「タグ付けしてください」を3行で書く。追加する前に一言聞く 設計 02 — 返す ストーリーズのメンションはManyChatで自動お礼/投稿のタグ付けは通知DMから手で返して追加 設計 03 — 並べる 先頭3枚のうち1枚だけをお客さんの写真に。月1回、まだ見えているかを確かめる 見えた瞬間に、看板になる

今日から始めるための、1枚のメモ

3つの設計を、いっぺんに始める必要はない。順番がある。まず、設計01の「頼む1枚」を作る。これが無いと、タグ付けそのものが増えない。次に、設計02の「返す文」を1通、決めておく。ManyChatを使っている店なら、ストーリーズのメンションへの自動お礼を、設定画面で有効にする。ManyChatを使っていない店は、通知のDMを閉店後に見る5分から始めればいい。設計03は、公開アカウントのお客さんの投稿が3件たまってからでいい。用意するメモは、次の形で足りる。

【お客さんの投稿を看板にするメモ】 頼む1枚:レジ横のカード  1行目:写真を撮ったら @店のアカウント名 をタグ付けして投稿してください  2行目:公開アカウントの方は、お店のプロフィールにも飾らせてもらうことがあります  3行目:タグ付けしてくれた方には、DMでお礼を送っています 返す文(投稿のタグ付け・手で返す):  お写真ありがとうございます。よろしければ、お店のプロフィールにも飾らせてください 返す文(ストーリーズのメンション・ManyChatで自動):  メンションありがとうございます。次にいらしたときに、ひとこと声をかけてください 見る時間:閉店後、通知DMを5分 並べる:公開アカウントの投稿が3件たまったら、先頭3枚のうち1枚に 確かめる:毎月1日、先頭の1枚がまだ見えているか

このメモがあれば、機能が自分のアカウントに届いた日から、迷わず動ける。まだ届いていない人も、設計01と02は今日から始められる。機能が届いたとき、追加できる公開アカウントの投稿が、すでに何件かたまっている状態にしておくのが、いちばん早い。

最後に:写真を撮ってくれた人に、まずお礼を返す。看板は、そのあとについてくる

正直に書いておくと、この機能で来店が増えることを約束はできない。看板が1枚増えても、料理や仕上がりが変わらなければ、お客さんの数も急には変わらない。増えるのは、店を訪れた人が「他のお客さんはどう感じたか」を、プロフィールを開いた最初の3秒で見られる、という一点だ。

そして、その一点のために欠かせないのは、機能の使い方より、写真を撮ってくれた人にお礼を返す、という当たり前の一手だ。冒頭の居酒屋の店主は、厨房から「ありがとうございます」と声をかけていた。あの一言を、DMでもう1回返す。返した相手の投稿だけを、看板にする。SUICSがManyChatの構築を125社で続けてきて、いちばん長く効いていたのは、自動化の巧みさより、この順番だった。お客さんの写真は、追加した瞬間ではなく、見えた瞬間に、そして、お礼が届いた瞬間に、看板になる。

タグ付けへのお礼DMを、自分の言い方のまま、毎回同じ品質で返したい方へ

お礼の1通、空き状況への即答、コメントへの自動クーポンまで。
店舗のInstagramで実際に使っている返信の型を、画面写真つきの無料ガイドとして公開しています。
登録もダウンロードも不要で、そのまま読めます。

無料ガイドを読む