Notes / Instagram Marketing

Instagramは“見る側が選ぶ”時代へ。
おすすめ任せを、今日やめる

2026.08.26

日曜の夜、自分のフィードから釣り動画を消してみた

日曜の夜、ソファでInstagramを開いた。設定の中に「Your Algorithm」という項目が増えていて、自分のおすすめに出るトピックの一覧が並んでいる。数ヶ月前からリールでは見かけていた画面だが、いつの間にかメインフィードのおすすめまで調整できるようになっていた。試しに、なぜか毎晩流れてくる「釣り」を減らして、「コーヒー」を増やしてみた。

月曜の朝、フィードを開いたら本当に釣り動画が消えていた。代わりに、行ったこともない焙煎所の投稿が並んでいる。便利だなと感心して、コーヒーを一口飲んだところで、手が止まった。これは見る側としては最高の機能だ。でも、見せる側——つまり店をやっている人間にとっては、話がまったく違う

ユーザーが「見たいトピック」を自分で選べるということは、選ばれなかったトピックの投稿は、どれだけ頑張ってもその人のおすすめに出てこないということだ。今までは「アルゴリズムに気に入られれば、誰にでも届く可能性があった」。これからは「ユーザー本人が選んだ棚にしか、並べてもらえない」。届くかどうかの決定権が、アルゴリズムからユーザーの指先へ移った。今日は、この変化が店舗・個人事業主の集客にとって何を意味するのかと、おすすめ任せをやめて「DM資産」に切り替える3つの設計を書いておく。

何が変わったのか——「Your Algorithm」フィード拡大と、評価指標の再編

整理しておく。Instagramは2025年12月、リールのおすすめに「Your Algorithm(トピックコントロール)」を導入した。ユーザーが「もっと見たいトピック」「見たくないトピック」を指定でき、おすすめの中身を能動的に調整できる機能だ。そして2026年、この仕組みがメインフィードのおすすめにも広がった。リールだけの実験ではなく、Instagramの表示全体が「ユーザーが選ぶ」方向に舵を切ったことになる。

同時に、投稿を評価する指標も再編されている。2026年のInstagramは公開指標を「閲覧数(Views)」に統一し、保存数や単純ないいねの優先度を下げた。そして非フォロワーへの拡散でいちばん重く見られているのが「Sends per Reach」——届いた人のうち、その投稿をDMで誰かに送った人の割合だ。リールでこの傾向が数字に出ていることは「DMで送られた数がいいねの3〜5倍」の記事に書いたが、指標の再編はリールに限らない。

2つを重ねると、こうなる。おすすめに出るかどうかは「ユーザーが選んだトピックに入っているか」で決まり、そこからの拡散は「人に送りたくなるか」で決まる。「バズ待ち」という戦い方は、仕組みの上で成立しなくなった。今年前半にオーガニックリーチが約18%減ったという数字はリーチ18%減時代の記事で書いたが、あのときは「届きにくくなった」という程度の変化だった。今回は構造の変化だ。届く・届かないの決定権そのものが、店の外に出た。

ここで大事なのは、悲観ではなく仕分けだと思う。アルゴリズム任せのリーチは、これからも縮む。でも、フォロワーとの関係、そしてDMの中の会話は、トピック設定の影響を受けない。ユーザーが釣り動画を消しても、友達からのDMは消えない。店のアカウントが「おすすめに流れてくる存在」から「DMで直接つながっている存在」に変われば、この変化はむしろ追い風になる。

リーチはアルゴリズムが配るもの。
DMは自分の手元に残るもの。
決定権が移った今、積むべきは後者だ。

おすすめ任せをやめて「DM資産」に切り替える3設計

では、具体的に何を組み替えるか。ManyChatの構築でお付き合いしてきた125社の設計を、この変化に合わせて並べ直すと、やることは3つに絞られる。

Design 01
入口——届いたその日のうちに、コメント→自動DMで名簿に変える
所要:ManyChat設定30分/対象:全業種
おすすめ経由で届く一見さんは、これから確実に減っていく。だからこそ、今届いている一人ひとりを流してはいけない。投稿の締めに合言葉を置き、コメントしてくれた人に自動DMで特典やメニューを届けて、会話を1本残す。おすすめに出た「その日」が、その人と接点を持てる最初で最後の日かもしれない前提で、入口を常設しておく。
起点
投稿コメント
仕組み
自動DM
残るもの
会話1本=名簿1件
Design 02
届け先——タグと一斉配信で、アルゴリズムを通らない連絡網を持つ
所要:初期設計1時間/対象:リピート型の業種ほど効く
DMに残った会話には、内容に応じてタグを付けて仕分けておく。「予約したことがある」「新メニューに反応した」——この名簿は、フィードに何が表示されようと直接届く連絡網になる。濃い層には一斉配信チャンネルを重ねると、告知はさらにアルゴリズム非依存になる。組み方は「一斉配信チャンネルは濃い100人を資産化する装置」の記事に書いた。フォロワー1万人より、返事が返ってくる100人。この順番が、今回の変化でいよいよ本物になった。
仕分け
DMタグ
濃い層
一斉配信チャンネル
特徴
トピック設定の影響なし
Design 03
投稿——「バズる1本」ではなく「送られる1本」に作り替える
所要:次の投稿から/対象:投稿を自分で作っている人
Sends per Reachが最重要シグナルになった今、投稿づくりの問いは「伸びるか」ではなく「誰かが誰かに送りたくなるか」に変わる。地域の営業時間まとめ、雨の日の過ごし方、予約が取りやすい時間帯——「あの人に教えたい」と思われる実用の1本は、DMで送られることで評価が上がり、送られた先で新しい会話が生まれる。拡散の経路そのものがDMになっているのだから、投稿の設計もDMを起点に逆算する。
問い
送りたくなるか
実用・地域・保存版
効果
Sends評価+新規会話
From Algorithm To Asset
「おすすめ任せ」と「DM資産」——届き方の構造比較
BEFORE おすすめ任せ 店の投稿 とにかく数を打つ Your Algorithm の関門 ユーザーが選んだトピック以外は通らない 届く/届かない 決定権は店の外 積み上がるものが残らない AFTER DM資産 送られる1本+合言葉 Design 03 コメント→自動DMで名簿化 Design 01/届いたその日に会話を残す タグ名簿+一斉配信 Design 02/アルゴリズムを通らず届く 会話=名簿が毎日積み上がる 切り替え SUICS — DM ASSET DESIGN

今日20分でやる、「選ばれる側」の点検

最後に、今日できることを置いておく。まず自分のスマホでInstagramの設定を開き、「Your Algorithm」の画面を実際に触ってみてほしい。自分が客としてトピックを選ぶ体験をすると、「選ばれない投稿は存在しないのと同じ」という感覚が腹に落ちる。これに5分。

次に、自分のアカウントを開いて、直近の投稿10本を「これは誰かが誰かに送るか?」という一点だけで見返す。宣伝ばかりで、送りたくなる1本がなければ、次の投稿を実用系に差し替える。これに10分。残りの5分で、いちばん反応が良かった投稿に合言葉のコメント誘導が付いているかを確認する。付いていなければ、そこが最初に組む場所だ。DMを起点にした入口の組み方全体は「DMを正面玄関にする3つの組み替え」の記事にまとめてある。

アルゴリズムの変化は、これからも毎月のように続く。でも、DMの中の名簿と会話は、仕様変更のたびにゼロに戻ったりしない。変化のたびに慌てる側から、変化のたびに名簿が効く側へ。切り替えるなら、決定権が移ったことがはっきりした今がいちばん早い。

SUICS Service — Instagram × ManyChat 構築
アルゴリズムに左右されない「DM資産」の仕組み、設計から構築まで。
解決できる悩み:「おすすめ経由のリーチが減り続けている」「コメント→自動DMの入口を自分の業種に合わせて組みたい」「DMに残った会話をタグで名簿化して再来店につなげたい」「一斉配信チャンネルまで含めた全体設計を任せたい」「投稿は作れるが、その後の動線が組めない」。ManyChat構築125社の実績をもとに、入口の設計→自動DM構築→名簿の運用定着まで一気通貫でお渡しします。
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