Notes / Instagram

Instagramの"おすすめ"を見る側が編集する時代へ。
『Your Algorithm』で個人事業主がやるべきたった1つのこと

2026.06.02

深夜にラーメンの動画を一本見ただけで、僕のおすすめが3日間ラーメンに乗っ取られた

先週の夜、寝る前にリールをめくっていたら、つい二郎系ラーメンの実食動画を最後まで見てしまった。たった一本。それだけのことだったのに、翌朝からおすすめがラーメン、ラーメン、また別の店のラーメンになった。仕事用に使っているアカウントなのに、3日ほど麺の海から抜け出せなかった。

「一本見ただけでここまで寄せてくるのか」と苦笑いしながら、ふと海外のマーケ系の情報を追っていたら、それを裏返したような新機能のニュースが流れてきた。Instagramがリール向けに「Your Algorithm(あなたのアルゴリズム)」という機能を公開テスト中だという。ざっくり言えば、僕が3日間ラーメンに沈んだあの状態を、ユーザー自身が手で編集できるようにする機能だ。

これは発信する側にとって、わりと大きな転換点になる。これまで「アルゴリズムに合わせる」のは発信者の宿命だった。けれどこれからは、見る側が自分のおすすめを直接いじれる。今日は、この機能が何で、店舗や個人事業主のリールにどう効いてくるのか、そして結論としてやるべきことはたった1つだという話を、125社の現場目線で書く。

Your Algorithmとは、おすすめの"興味リスト"を自分で書き換える機能

Your Algorithmは、リール → メニュー → 「Your Algorithm」からアクセスできる新機能だ。開くと、Instagramが「この人はこういうトピックに興味がある」と判断している一覧が表示される。料理、旅行、筋トレ、ガジェット——あなたの視聴履歴から推定された興味タグが並ぶイメージだ。

これまでと違うのは、その一覧をユーザー自身が追加・削除できる点にある。「ラーメンはもう十分、消す」「インテリアをもっと見たい、足す」と手で編集すると、おすすめに流れてくるリールの傾向がその場で変わる。受け身で寄せられていたおすすめを、自分の意思でハンドルを握れるようになる、ということだ。まずは米国の一部ユーザーに先行公開され、順次拡大していく予定とされている。

「自分の好みを整理できて便利」。視聴者目線ならそれで終わる話だ。でも、リールで集客しようとしている事業者にとっては、便利では済まない意味を持っている。

見る側が編集できる=発信者は"候補に入る"ことから勝負が始まる

ここが本題だ。視聴者が自分の興味リストを編集できるということは、裏を返すと、あなたのアカウントが視聴者の興味リストから外されたら、そもそもおすすめの候補に入れなくなるということだ。これまでは「アルゴリズムに気に入られるか」だけを考えていればよかった。これからはその手前に、「視聴者の興味リストに、自分のジャンルが残っているか」という関門が増える。

そして、興味リストから外されやすいアカウントには特徴がある。ジャンルがブレているアカウントだ。今日は集客の話、明日はランチの写真、その次は趣味のキャンプ。発信者本人は「いろんな面を見せたい」つもりでも、見る側からすると「このアカウントは結局なんの人だっけ」となる。興味リストに登録する手がかりがなく、整理のタイミングで真っ先に消される。逆に、毎回同じ匂いの投稿を続けているアカウントは、「整体の人」「カフェの人」と一言でラベルが貼られ、興味リストに残り続ける。

つまりYour Algorithmは、「とりあえず色々投稿」が最も損をする時代の入口だ。手数で勝負していたアカウントほど、これから候補に入れなくなる。テーマを1つに絞り、型を揃えて出し続けることの価値が、これまで以上に上がった。

具体に落とすとこういうことだ。並走している美容室のアカウントは、以前はカット事例、スタッフの私生活、ランチ、たまにキャンペーン告知が混ざっていた。発信者は「親しみを出したい」と良かれと思ってやっていたが、見る側からすると軸が定まらない。そこで「髪の悩み解決」という一点に絞り、ビフォーアフターと簡単なホームケアのコツだけを同じ型で出すようにしてもらった。私生活の投稿はストーリーズに逃がし、フィードとリールは1テーマで貫く。3週間ほどで、リールの平均視聴時間が伸び、保存も増えた。やったのは新しいことではなく、引き算だ。何を出さないかを決めたことが効いた。

あわせて押さえる、2026年リールで最も重い3シグナル

テーマを絞って候補に入ったあと、実際にリールが広がるかどうかを決めるシグナルも、2026年は明確になっている。Instagram責任者のAdam Mosseriが、リール配信で最も重く効くのは次の3つだと明言している。1つずつ見る。

Signal 01
視聴時間(どれだけ見られ続けたか)
最後まで見られたか、途中で離脱されたか。冒頭1秒で結論や引きを置けるかが効いてくる。テーマがブレていると冒頭で「これは自分向けじゃない」と判断されて離脱され、視聴時間が伸びない。1テーマに絞ることは、この視聴時間を底上げする土台でもある。
リーチあたりの送信数(DMで友達に送られた数)
Signal 02
見た人がどれだけ友達にDMで送ったか。これが2026年のリーチ拡大で最重要のシグナルだ。「同じ悩みの人に送ってあげて」と促せる投稿は強い。そして、送られた先で会話が始まったとき、その問い合わせを受け止める仕組みがあるかどうかが、集客の成否を分ける。
Signal 03
リーチあたりのいいね
いいねの総数ではなく、届いた人数に対してどれだけ反応されたか、という比率で見られる。フォロワーの多さより、出した相手にちゃんと刺さっているかが問われる。ここでも、ジャンルが揃っていて「自分向け」と即座に伝わるアカウントが有利になる。
おすすめ枠は、もう発信者がコントロールできない。
だからこそ、コントロールできる「DMリスト」へ
資産を移しておく。それが今やるべき1つ。
Your Algorithm Era · The One Move
ブレるアカウントは候補から外れる/絞れば残り、DMで資産化する
SAME EFFORT, DIFFERENT RESULT 色々投稿(手数で勝負) 集客→ランチ→趣味… 興味リストから削除される 「結局なんの人?」 そもそも候補に入らない ― やるべきはこちら ― 1アカウント1テーマ 毎回同じ匂い・型を揃える 興味リストに残る 「整体の人」とラベルされる おすすめ候補に残る 視聴時間・送信が伸びる DMで会話 → リスト化(資産) おすすめ枠と違い、自分でコントロールできる テーマを絞って候補に残し、流入をDMリストへ移して手元に資産を貯める アルゴリズムが変わっても消えない場所に、お客さんとの接点を持っておく

やるべきたった1つのこと、その先にある"守り"

整理する。Your Algorithmの時代に発信者がやるべきことは、突き詰めると1つだ。アカウントのテーマを1つに絞り、毎回同じ型・同じ匂いの投稿を続けること。これだけで、視聴者の興味リストに残り、おすすめ候補に居続けられる。あれもこれも見せたい気持ちを抑えて、「この人といえばこれ」を1年かけて刷り込む。地味だが、これが効く。

ただ、ここで終わると片手落ちになる。テーマを絞ってリールが伸びても、おすすめ枠そのものは、相変わらず発信者がコントロールできない。明日アルゴリズムが変われば、今日の伸びが嘘のように止まることもある。Instantsしかり、Your Algorithmしかり、Instagramは仕様をどんどん変える。その変化に振り回されないために、攻めと同時に守りを用意しておく必要がある。

守りとは何か。コントロールできない「おすすめ枠」で集めた人を、コントロールできる「DMリスト」へ移しておくことだ。リールでテーマを絞って人を集める。送られて届いたDMで会話を始め、相手の名前を聞き、リストとして手元に貯める。こうしておけば、明日アルゴリズムが変わっても、すでに繋がった人には自分から届けられる。フォロワー数という借り物ではなく、リストという資産が残る。攻め(1テーマ運用)と守り(DMリスト化)はセットだ。

この順番を間違えないでほしい。先にテーマを絞らないままリストだけ集めようとしても、そもそもリールが候補に入らず人が来ない。逆に、テーマを絞ってリールが伸びても、受け皿を用意していなければ、届いたDMをさばききれず熱が冷める。1テーマで候補に残し、伸びたリーチをDMで受け止め、会話してリスト化する。この一連がつながって初めて、アルゴリズム変更に強い土台になる。新機能が出るたびに振り回されている事業者と、淡々と資産を積んでいる事業者の差は、この順番を握っているかどうかに出る。

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解決できる悩み:「アカウントのテーマがブレていて、何の人か伝わっていない気がする」「リールは伸びても、その先の問い合わせに繋がらない」「DMが来ても会話が続かず、リスト化できていない」「アルゴリズム変更のたびに数字が乱高下して不安」「フォロワー数ではなく、自分でコントロールできる資産を持ちたい」。1アカウント1テーマの設計から、フォロワーを配信ごとに資産化するDM自動返信・リード取得の仕組みづくりまで、ヒアリングから構築まで一気通貫でお渡しします。
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新機能のたびに思い出したい、変わらない原則

Your Algorithmは、見る側に主導権を渡すという意味で新しい。でも、発信者がやるべきことは、実はずっと変わっていない。SUICSが125社で一貫して伝えてきた「1アカウント1テーマ」「投稿の型を揃える」という基本が、新機能でさらに裏付けられただけだ。冒頭で僕がラーメンに3日沈んだのも、見る側の興味が一本の動画で動くという、まさにその仕組みの裏返しだった。

機能は毎年変わる。けれど、「ぶれずに1つを刷り込み、集めた人を手元の資産に変える」という原則は変わらない。むしろ、Instagramがコントロールできない領域を増やすほど、自分でコントロールできるDMリストの価値は上がっていく。新機能のニュースに焦るより、まずは自分のアカウントが「何の人」として一言で伝わるかを見直すところから始めてほしい。

送られた数がなぜここまで効くのかは 「いいねはもう古い。2026年InstagramはDMに送られた数で決まる」 に、5月の改変の全体像は 「Instagram 2026年5月アルゴリズム改変、関係性重視時代に勝つ3つの対策」 に、フォロワーよりリストが資産になる理由は 「フォロワー1000人より大事なDMリスト100人の作り方」 にまとめてある。

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