クレジット明細を眺めて、思った
先月、クレジットカードの明細を整理していて気づいた。OpenAI 20ドル、Anthropic 20ドル、Google AI Pro 19.99ドル。AIだけで月60ドル弱、日本円で1万円近くが、毎月コンスタントに出ていっている。
正直、最初は「これ、3つも要るか?」と自問した。1つに絞れば月7,000円弱は節約できる。でも結局、その日もまた3つとも更新した。理由はシンプルで、業務時間が月数十時間単位で空くから。投資対効果で言えば、1万円弱の支払いに対して、リターンが完全に釣り合っている。
ただ、ここまで来るのに18ヶ月かかった。最初は「どれを開くべきか」毎回迷っていた。今は迷わない。業務シーンごとに「担当AI」を決めたからだ。
今日は、僕が18ヶ月かけて固めた、リアルなマイルールを正直に書く。「結局どれを使えばいいか分からない」を抜け出すための、実体験ベースの整理だ。
先に結論:僕の使い分けマイルール
先に結論から書く。僕は、業務シーンを大きく3つに分けて、それぞれ担当AIを決めている。
- ChatGPT :お客さんとの対話・調整、画像生成、軽い壁打ち
- Claude :長文を読む・書く、コーディング、深い思考が必要なもの
- Gemini :ウェブ検索を伴うリサーチ、Google系の業務、大量データ処理
それぞれ「得意な仕事」が違うので、無理に1つに統一しようとせず、案件ごとに最適なAIを選ぶ。月1万円弱で3つを並列契約していても、業務時間が月数十時間単位で空くので、投資対効果は圧倒的にプラスだ。
ここから、3つそれぞれの得意分野と「僕が実際にどう使っているか」を、もう少し詳しく書く。
ChatGPT:お客さんとの対話・画像生成・軽い壁打ち
- お客さんへのDM文・メール文の下書き :相手の状況を伝えて「丁寧な返信を3パターン」と頼むと、トーンの違う案がすぐ出る
- セミナースライド用の画像生成 :ブログのOGP画像、SNS投稿用の図解、講座の挿絵まで、画像生成アプリを別で立ち上げる必要が無くなった
- 軽い壁打ち :「このキャッチコピーで響くか」「このタイトル候補から1つ選ぶなら」と、5分で答えがほしい用途
- 音声会話 :散歩しながら頭の中を整理する用途。スマホ片手に話しかけるだけで、ふだん使いのコーチがいる感覚になる
- 自動化スクリプトの作成 :Codex CLIで、コードを書かずに業務自動化ツールを作れる(詳細は Codex CLIの記事)
Claude:長文を読む・書く・深く考える
- ブログ記事・LPコピーの執筆 :このブログ記事も、すべてClaudeで下書きを作っている。文体が他のAIより自然で、修正の手間が一番少ない
- 長文ドキュメントの要約・分析 :50ページのPDF、議事録の長尺テキスト、契約書の内容把握など、量がある資料を読ませる用途
- 事業計画や提案書の壁打ち :「自分の事業のこの戦略、どう思う?」と相談すると、論点を整理して返してくれる。思考のパートナーとして優秀
- クライアントへのレポート作成 :実績数字・改善案・次のアクションを構造的にまとめる用途
- Claude Codeで本格的なコーディング :HP・LPの制作、複雑な業務ツール構築(詳細は Claude Code記事)
Gemini:ウェブ検索・Google業務・大量データ
- クライアントの業界リサーチ :「整体院のSNS集客で2026年に話題のトレンド」を最新情報込みでまとめさせる用途
- 競合のホームページ・LPの分析 :URLを渡すと、内容を読み込んで「強み・弱み・改善提案」を返してくれる
- Google スプレッドシート内でのデータ処理 :シート内でGemini関数を呼んで、大量データの分類・要約を一気にやる
- Gmail / Google Driveとの連携 :自分のメールやドライブ内のドキュメントを参照しながら、要約・回答を作る
- 動画コンテンツの要約 :YouTubeのURLを渡すと、動画の内容を要約してくれる。長い対談動画やセミナーをサクッと把握する用途
業務シーンごとに「担当AI」を決める。
迷う時間が、ゼロになる。
「3つ全部は要らないんじゃ?」への答え
「月1万円弱の出費はちょっと…」「最初は1つで十分じゃない?」という声もよく聞く。これに関しては、フェーズごとの正解がある。
AIをまだ業務に組み込んでいないフェーズなら、まずChatGPT 1つで十分だ。月20ドルから始めて、「これがAIに任せられる業務だ」という感覚を掴む。ここでの経験が、後で複数AIを使い分ける土台になる。
業務にAIを組み込み始めたフェーズになったら、自分のメイン業務に応じて2つ目を選ぶ。文章を多く書く人ならClaude、Google Workspaceで仕事が回っている人ならGemini。「自分の業務時間がいちばん多く流れる場所」に2つ目を投入する。
本格的にAIを業務インフラ化しているフェーズなら、3つ全部契約する。月1万円弱の出費に対して、業務時間が月数十時間以上空くので、投資対効果は圧倒的に合う。1日5時間以上をAIと共に過ごす段階に入ったら、3つ並列が正解になる。
中小企業の場合、選定軸は変わる
個人事業主の使い分けは上の通りだが、中小企業がAI/DXを導入する場合、選定軸は変わってくる。社員5〜20人のチームで使うときは、「個人の使い分け」より「会社として揃える」が大事になる。
たとえば、社内コミュニケーションがGoogle Workspaceなら、Geminiを全社契約する方が連携で楽。Microsoft 365中心ならCopilot+ChatGPTの組み合わせ。コーディング・複雑業務が多いチームならClaudeを核にする。業務基盤に合わせて「会社のメインAI」を1〜2個決め、それを全社員が共通言語として使える状態にするのが、定着のコツだ。
「うちの会社で何を入れるべきか」「導入後の社員教育はどう進めるか」を相談したい中小企業向けに、SUICSではAI/DX診断を提供している。社内業務の棚卸しから、ツール選定、実装、定着支援までを一気通貫でお渡しする。
まとめ:マイルールを決めた瞬間、AIは戦力になる
3つのAIを並列で持っていても、「今これを開くべきか」と毎回迷っていたら、その時点で生産性は半減する。業務シーンごとに「第一選択のAI」を決める。これだけで、AIは「迷うツール」から「即戦力」に変わる。
今日書いたマイルールは、あくまで僕の18ヶ月の経験から来たもの。あなたの業務構成によって、最適な使い分けは変わる。だから「これをそのまま真似する」というより、「自分の業務にどう当てはめるか」を考えるたたき台にしてほしい。
AIツールは、これからも増え続ける。だからこそ、「自分の業務シーン×担当AI」のマトリクスを一度作っておくと、新しいAIが出てきても、どこに位置付けるかがすぐ判断できる。これが、AIに振り回されないための土台になる。