「AIで時短」の話、抽象的すぎませんか?
AIで業務効率化、AIで時短、AIで自動化。最近、こういう言葉をよく見る。
でも、自分の事業に持ち込もうとすると、いつもひっかかる。「何が、どれくらい、どう変わるのか」が、具体的に書かれていないからだ。
「30分かかってた作業が5分になりました」と言われても、それがどんな作業で、どんなふうにAIに任せて、どんな手順で進めるのか。そこが見えないと、自分の事業に当てはめようがない。
なので、自分のリアルな話を書こうと思う。1人で事業をしている個人事業主が、Claude Codeというツールを業務に組み込んで、本当に作業時間が半分以下になった3つの実例。何をやめて、何を任せて、結果として自分の時間がどう変わったのか。できるだけ正直に書く。
そもそも Claude Code って何をしてくれるのか
名前に「Code」とついているので、エンジニアのためのツールだと思われがちだ。実際、コードを書く人にも便利だ。でも本質はそうじゃない。
Claude Codeは、自分の手元のファイル(Excel・テキスト・PDFなど)を読み込んで、日本語の指示通りに作業してくれるAIだ。コードを書ける必要はない。「このExcelの今月分だけ集計して」「このテキストを箇条書きにして」「このPDFから連絡先だけ抜き出して」——そう書いて伝えれば、勝手にやってくれる。
個人事業主にとって何が嬉しいかと言うと、「自分のファイルやデータを直接さわって、作業を完了してくれる」という点だ。「ChatGPTに聞いて答えをもらう」のとは、少し違う。AIが自分のパソコンの中で実際に手を動かしてくれるイメージに近い。
では、その特徴がどう活きたか。3つの実例で書く。
実例①:クライアント前の事前リサーチ
1つ目は、いちばん時間がかかっていた作業。新しいクライアントとの打ち合わせ前の、業界・競合リサーチだ。
たとえば「佐賀県の整体院オーナーから相談があった」とする。打ち合わせ前に、その地域の整体院の状況、競合がどんなSNS運用をしているか、価格帯はどれくらいか、どんな投稿が反応を取っているか——を整理しておく必要がある。これをやるかやらないかで、提案の精度が大きく変わる。
従来は、これを手で1社ずつ調べていた。Google検索→Instagram検索→競合のプロフィール確認→投稿内容のメモ。1社の打ち合わせで90分くらい。月に10社あれば、それだけで15時間が消える。
ポイントは、「Claude Codeに最終決定を任せていない」ことだ。集めた情報の中から、提案に使う材料を選ぶのは自分。AIは「下調べ係」として使い、判断は人間が行う。これが、現実的な使い方だ。
実例②:LP・記事の下書き作業
2つ目は、ライティングの下書き作業。これも、想像以上に時間を吸う作業だった。
クライアント向けのLPコピー、自社ブログの記事、メルマガの文面。どれも「ゼロから書き始める」のがいちばん重い。「何を書くか」「どんな構成にするか」を頭の中で整理する時間が、全体の3分の1くらいを占めていた。
ここで大事なのは、「叩き台」として使うことだ。Claude Codeが出した下書きをそのまま公開すると、お客さんの心にはまず届かない。AIの文章には、書き手の体温が乗っていないからだ。最後に「自分の言葉で塗り直す」工程は必ず残す。それでも、ゼロから書く時間と比べたら半分以下になる。
「下準備で疲れる時間」を、
短くしてくれるだけだ。
実例③:クライアントの業務棚卸し・議事録
3つ目は、クライアントワークの「準備」と「整理」の時間。
ManyChat構築のお客さんから、現状の業務フローを聞き取ることがある。「コメントが来たら、どうしてるか」「DM対応は、誰がいつ見ているか」「予約は、どのツールでどう流れているか」。聞き取った内容を、後で図解や提案書に落とし込むのが、けっこう手間だった。
結果として、クライアントの業務棚卸しと提案資料作成にかかる時間が、月12時間から3時間程度に減った。空いた時間は、新規のお問い合わせ対応や、本業のManyChat構築作業に回せている。
3つ合わせると、月35時間以上が空く
これら3つの実例を合計すると、月の作業時間が 52時間 → 14.5時間。月35時間以上が、別の仕事や休息に回せるようになった。
1日に換算すると、約1時間半が毎日空く計算だ。たかが1時間半、と思うかもしれない。でも個人事業主にとって、毎日1時間半の余裕は、新規案件1件分のリサーチに使えるし、SNS投稿の質を上げる時間にもなる。家族との時間や、休息に充てることもできる。
大事なのは、「AIが仕事を奪う」のではなく、「AIが下準備を肩代わりしてくれる」という感覚で使うことだ。考える仕事・お客さんと向き合う仕事・最後に判断する仕事は、変わらず自分の仕事。ただ、その前段の「整理する作業」が、半分以下になる。
中小企業なら、もっと大きく時間が空く
1人事業主の僕でも月35時間。これが従業員5〜20人規模の中小企業なら、もっと大きな効果が出る。
議事録・問い合わせ返信・週次レポート・売上集計・契約書チェック——個人事業主の業務と本質は同じだが、件数が桁違いに多い。1件あたりの時短は同じでも、件数が10倍あれば、空く時間も10倍になる。
ただし、「ツールを入れただけ」では、ここまでの効果は出ない。社内のどの業務を、どのAIに、どの順番で渡すか。何を任せて、何を人間に残すか。この「設計」をしないまま導入すると、結局誰も使わずに終わる。
SUICSのAI/DX支援は、ここの「設計」をいちばん大事にしている。DX診断で、御社のどの業務がAIで時短できるかを書面でお渡しする。本契約に進む場合は、診断料は充当される仕組み。
最後に、いちばん大事なことを正直に
Claude Codeは、優れたツールだ。でも、「使えば誰でも時短できる」わけではない。
最初は、何をどう頼めばいいか分からなくて、かえって時間がかかる。3週間くらい使い続けて、ようやく「こう頼むと、こう返ってくる」というコツがつかめてくる。最初の3週間は投資期間だと思って、続けてみる。それが、いちばんの近道だ。
もし「自分の事業のどこに使えるかわからない」「導入したいけど社内に詳しい人がいない」という状態なら、気軽に相談してほしい。あなたの業務のどこを、どのAIに任せると効果が出るか。一緒に整理できると思う。