Notes / Instagram

新規フォロワーに、
自動であいさつDMが送れる時代。
ただし「週1通」の壁がある

2026.07.24 ・ Instagram集客

海の日の三連休明け、38人の新規フォロワーに届いたメッセージはゼロだった

7月21日の火曜、朝7時前。佐賀のいつものカフェで、あるクライアントのInstagramインサイトをスマホで開いた。前の週末は海の日の三連休で、そのアカウントには金曜から月曜までのあいだに新しいフォロワーが38人ついていた。数字だけ見れば、悪くない週だ。

ところが、その38人に届いたメッセージは、ゼロだった。フォローという、その人がいちばん興味を持ってくれた熱い瞬間に、こちらからは何の接点も生まれないまま、三日間が過ぎていた。38人のうち何人かは、もう投稿を見なくなっているだろう。フォローボタンを押した理由も、たぶん忘れている。

この「フォローされた瞬間に何も起きない」問題は、Instagram集客の現場でずっと放置されてきた穴だった。コメントには自動DMを仕込めても、フォローそのものを起点に全員へあいさつを送る手段が、長いあいだ実用的ではなかったからだ。

その穴を埋める機能が、いま動き出している。ManyChatが「新規フォロワー全員に自動あいさつDMを送る」機能をベータで出してきた。ただし手放しでは喜べない。Metaが課した「週1通」という制限が、この機能の使い方を根本から変えるからだ。今日はこの制限を敵ではなく味方にする、初回DMの設計を3つ書いておきたい。

何が変わったのか|「フォロー=あいさつDM」がボタンひとつに

ManyChatが追加したのは、新しくフォローしてくれた人に対して、自動でウェルカムDMを即送信できる機能だ。「Follow to DM」や「Say Hi to New Followers」といった名前で呼ばれている。仕組みはシンプルで、フォローというアクションそのものが引き金になり、あらかじめ用意しておいた1通目が自動で相手のDMに届く。

これまで新規フォロワーへの初回接触は、こちらから手作業でDMを送るか、フォロー御礼の投稿を見てもらえるのを待つしかなかった。フォロワーが1日に何十人も増えるアカウントでは、全員に手でメッセージを送るのは現実的ではない。だから多くの店舗や個人事業主は、いちばん熱い瞬間を取りこぼしてきた。この機能は、そこを自動化する。

ただし、今の時点でおさえておくべき条件が3つある。順番に見ていく。

Status
ベータ提供
Limit
週1通/人
Plan
コンタクト課金

1つ目は、まだベータで全アカウントに開放されていないこと。誰が先に使えるかはMeta側が決めるため、自分のアカウントに機能が出るのを待つ期間がある。裏を返せば、開放される前の今こそ、送る1通目の内容とオファーを仕込んでおける準備期間だ。

2つ目が、いちばん重要な制限。フォロー起点の初回DMは、全アカウント合計で1ユーザーにつき週1通までとMetaが上限を設けている。あるユーザーが今週すでに別のアカウントからフォローあいさつDMを受け取っていたら、あなたのアカウントからの1通は届かない可能性がある。つまり撃てる弾は、相手ごとに週にたった1発。ここを雑に使うと、貴重な初回接触を無駄撃ちしてしまう。

3つ目は料金体系。ManyChatは料金改定でコンタクト(連絡先)の数に応じた課金へ移行しており、無料で使えるのは25コンタクトまで。フォロワーが増えてリストが太るほど、月額もリスト規模に応じて上がっていく。無料の範囲で試すには早めに、有料に切り替えるなら「1通の質」で回収する前提で設計する必要がある。

撃てる弾は、相手ごとに週1発。
だからこの機能で勝敗を分けるのは、
送る量ではなく「1通目の設計」だ。

「週1通」は制約ではなく、設計者への追い風になる

週1通と聞くと、多くの人は「少ない」「使いにくい」と感じる。だが125社の構築現場から見ると、この制限はむしろ質の低い運用をふるい落とす追い風だ。理由は2つある。

ひとつは、大量に撒く運用が最初から封じられていること。フォロー御礼を装って毎回同じ売り込みを送りつける、いわゆる撒き型のスパム運用は、週1通ではそもそも成立しない。丁寧に1通を設計した人だけが成果を出せる構造になっている。これは、地道にリストを育ててきた店舗や個人事業主に有利に働く。

もうひとつは、「初回の1通」に全神経を集中させられること。週に何通も送れるなら、1通あたりの重みは薄れ、雑になる。週1通しかないと決まっていれば、その1通に何を書くか、どこへ導くかを本気で考えるしかない。制限が、設計の質を強制的に引き上げてくれる。

ここからは、その1通目をどう組むか。無駄撃ちを避け、週1発を確実にリスト化と会話につなげる初回DM設計を3つ紹介する。ベータが自分のアカウントに来る前に、そのまま準備しておける形で書く。

Design 01
1通目は「売らない・名乗る・ひとつだけ渡す」に徹する
初回DMの役割を「販売」から「自己紹介」に切り替える
週1発しかない初回DMで、いきなり商品やサービスを売り込むのは、いちばんもったいない使い方だ。フォローしたばかりの人は、まだあなたが何者かを知らない。ここで売り込まれると、心理的な距離が一気に開く。1通目の役割は販売ではなく、名乗ることと、相手が受け取って嬉しいものをひとつだけ渡すこと。この「ひとつだけ」がポイントで、複数のリンクや選択肢を並べると、人はかえって何も選ばない。
フォローしてくれた新規フォロワーへの、初回あいさつDMの1通目を作ってください。 【条件】 - 冒頭でフォローへのお礼と、誰が運営しているかを一言で名乗る - 売り込みは入れない。渡すのは役立つ特典を「ひとつだけ」 - 最後は相手が返信しやすい、短い問いかけで終える - 全体で3〜4文。絵文字は多くても1つ
Effect
初回の離脱を防ぎ、「この人のDMは受け取る価値がある」という第一印象を作る
週1通の枠は「新規フォロワー専用」に温存し、他のトリガーと役割を分ける
Design 02
フォロー起点DMと、コメント起点DMの役割をはっきり切り分ける
週1通の制限がかかるのは「フォローを起点にした初回DM」だ。コメントへの返信DMや、キーワードに反応するDMは、これとは別の仕組みで動く。ここを混同して、フォローあいさつDMの中にキャンペーン告知や特典配布まで詰め込もうとすると、貴重な1発が散らかってしまう。フォロー起点の1通は「はじめまして」の挨拶に専念させ、キャンペーンや特典の配布はコメント起点・ストーリー起点など別のトリガーに担わせる。役割を分けることで、それぞれのDMが本来の仕事に集中できる。
フォロー起点
はじめまして
コメント起点
特典配布
ストーリー起点
キャンペーン
Effect
週1通の枠を挨拶に温存し、販売導線は制限のない別トリガーで回収できる
Design 03
1通目に「返信を1回もらう仕掛け」を入れ、24時間の会話ウィンドウを開く
2択の質問で、相手から1返信を引き出す
Instagramには、相手から返信をもらうと、そこから一定時間は自由にメッセージを送れる「会話ウィンドウ」がある。フォローあいさつDMそのものは週1通でも、相手が一度でも返信してくれれば、そのあとの会話は制限の外で続けられる。だから1通目の終わりには、必ず相手が押しやすい2択の問いかけを置く。「AとB、どちらに興味がありますか?」のような、指1本で答えられる形が理想だ。返信率が上がれば、週1通の壁は事実上ほとんど問題にならなくなる。
初回あいさつDMの最後に置く、返信を引き出す一文を5パターン作ってください。 【条件】 - 相手が2択で、指1本で答えられる質問にする - 商品カテゴリや悩みで分岐できる二択にする - 選んだ答えによって、次に渡す情報を変えられる形にする - 押しつけがましくない、軽いトーンで
Effect
1返信で会話ウィンドウが開き、週1通の制限を超えて関係を深められる
Follow to DM — Weekly Cap Design
週1通の初回DMを、会話につなげる3ステップ設計
新規フォロワーがフォローボタンを押す いちばん熱い瞬間 / ここで初回DMが自動発火 DESIGN 01 売らない・名乗る・特典をひとつだけ渡す DESIGN 03 2択の問いかけで、相手から1返信を引き出す 返信で24時間の会話ウィンドウが開く = 週1通の壁を越えて、リスト化と販売導線へ / 販売はDesign 02で別トリガーに分離 WEEKLY 1 MESSAGE — MAKE IT COUNT

開放を待つあいだにやっておく、たった1つの準備

この機能はまだベータで、自分のアカウントにいつ来るかは読めない。だが、来てから慌てて1通目を書くのと、来る前に磨き込んだ1通を用意しておくのとでは、初動がまったく変わる。開放されたその日から、38人の新規フォロワーに「無駄撃ちにならない1通」を届けられる状態にしておきたい。

やっておく準備はシンプルだ。上の3設計に沿って、初回あいさつDMの1通目を作り、Design 03の2択問いかけまで含めて完成させておくこと。それだけで、機能が来た瞬間に主導権を握れる。フォロー起点と別トリガーの役割分担も、この機会に一度整理しておくと、リスト全体の設計が締まる。

フォロー起点DMを自然に見せる初回設計は 「ManyChat Follow to DM|自然に見せる初回設計」 記事、1人につき届く回数の制限を踏まえた再設計は 「Instagram自動DMが『1人24時間1通』制限に」 記事もあわせて読んでほしい。会話ウィンドウを開く発想は、こちらの制限とも地続きだ。

「うちのアカウントで、初回の1通をどう設計すべきか」と迷ったら

週1通という制限があるからこそ、初回DMは業種によって正解が変わる。飲食店なら来店のきっかけになる一言、コスメや物販なら失敗しない選び方の入口、コーチや士業なら小さな相談への扉——同じ「はじめまして」でも、その先の設計はまるで違う。ここを外すと、せっかくの週1発が空振りに終わる。

SUICSのManyChat構築では、フォロー起点・コメント起点・ストーリー起点の役割を業種に合わせて切り分け、それぞれのトリガーに「何を送り、どこへ導くか」を設計する。125社の構築で見てきたのは、機能を入れることより、この動線の設計で成果が決まるという現実だ。新機能を、ただの通知ではなく資産を積み上げる入口に変えたい人は、動線ごと相談してほしい。

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