クライアントとのZoom画面の端で、40人のフォローが静かに溶けていった
先週の火曜、整体院オーナーのクライアントとZoomで打ち合わせをしていた。画面共有でその方のInstagramのインサイトを一緒に見ていたら、前日アップしたリールが伸びていて、24時間で新規フォロワーが42人増えていた。「すごいですね」と声が弾んだ。
でも僕は、別のところが気になっていた。その42人に対して、このアカウントは何ひとつアクションを起こしていない。フォローという、その人がいちばんこちらに関心を寄せた瞬間に、こちらは沈黙したまま。数日後、その熱はきれいに冷める。42人は「フォローしたことすら忘れているフォロワー」になる。これを毎週繰り返している。
画面の端で、42人の熱が静かに溶けていくのが見えた気がした。フォロワーは増えているのに資産にならない、その正体はここにある。フォロー直後の沈黙だ。
そのタイミングに、ちょうどManyChatがInstagram Summitで「Follow to DM」という機能をBETA公開した。フォローされた瞬間に、自動であいさつのDMを送る。今まで放置するしかなかった「最も熱い1分」を、はじめて拾えるようになる機能だ。ただし、これは扱いを間違えると一気に逆効果になる、まさに諸刃の剣だった。今日はその使い方を、125社の構築現場で見てきた失敗とあわせて正直に書く。
そもそも「フォロー直後」が、なぜ最も熱い瞬間なのか
「Follow to DM」が何をする機能かを整理しておく。Instagramで誰かが自分のアカウントをフォローした瞬間を引き金に、ManyChatが自動でDMを1通送る。送信までに5分から10分の遅延を設定できて、人が手で送ったように見せられる。1通のDMに最大3つまでリンク(商品ページ・公式サイト・予約フォームなど)を入れられる。Meta側の送信要件を満たしたアカウントだけが使えるBETA機能だ。
機能の説明より大事なのは、なぜ「フォロー直後」がそこまで価値を持つのか、という話だ。人がアカウントをフォローするのは、何かに反応した直後が圧倒的に多い。バズったリールを見た、保存したくなる投稿に出会った、検索でたどり着いた。その人の関心が最高潮に達した、まさにその瞬間にフォローボタンが押される。
ところが従来は、その熱の頂点に対して、こちらからは何も働きかけられなかった。相手が自発的に投稿を見に来てくれるのを待つしかない。そして人の関心は驚くほど早く冷める。1日経てば、その人はもう別のアカウントの別のリールを見ている。フォローしたことさえ覚えていない。冒頭の42人は、その典型だ。
「Follow to DM」は、この頂点の1分を逃さず拾う。フォローしてくれた相手に「見つけてくれてありがとう」と声をかけ、相手が何を求めているのかを軽く尋ねる。たったそれだけで、一方通行だったフォローが、双方向の会話に変わる。会話が始まれば、相手はもう匿名のフォロワーではなく、名前と関心を持った見込み客になる。フォロワーを資産に変える起点が、ここで一段強くなった。
便利な機能ほど、設定を誤ると一瞬で逆効果になる
ここからが諸刃の剣の話だ。「フォローした瞬間に自動でDMが届く」は、設計を間違えると、相手にとって最高に気持ち悪い体験になる。125社の構築現場で見てきた、初回DMが逆効果になる典型を3つ挙げる。
3つに共通するのは、送る側の都合で「とにかく早く・とにかく多く・とにかく売る」を優先していることだ。受け取る側からすれば、フォローした瞬間に知らない相手から営業電話がかかってくるのと同じ。便利な自動化ほど、相手の体験を起点に設計しないと、機能の威力がそのまま逆方向に効く。
関心の頂点であり、警戒の入口でもある。
自動DMは、その両方を一瞬で引き起こす。
自然に見せる初回DM、3つの設計原則
では、フォロー直後の1分をプラスに変える初回DMは、どう組めばいいのか。125社で機能してきた設計を、3つの原則に絞って書く。新機能を入れる前に、この3つを先に決めておくと、諸刃の剣の刃をこちら側に向けずに済む。
新機能は「武器」になるが、「設計」がないと暴発する
冒頭の整体院オーナーには、その場で初回DMの設計図を一緒に書いた。フォローから7分後に、名前入りで「リール見てくれてありがとうございます」と届く。続けて「お身体のお悩みは “肩・首” と “腰” どちらが近いですか?」という二択。売り込みはゼロ。返ってきた答えで、次に送るDMと、来院予約への案内を出し分ける。導入から2週間で、これまで素通りしていたフォロワーから予約相談のDMが届くようになった。
大事なのは、効いたのは「新機能を入れたから」ではない、という点だ。効いたのは、フォロー直後の1分に対する設計があったから。Follow to DMは強力な武器だが、武器だけ手にしても、撃ち方を間違えれば自分のアカウントに当たる。機能の前に設計、これは自動DMが世に出てからずっと変わらない順番だ。やってはいけない設定の全体像は 「ManyChatでやってはいけないNG設定3つ」 記事にまとめている。初回DMが冷たく見える理由は 「DM自動返信が冷たく見える設定の正体」 記事もあわせて読んでほしい。
「フォロワーを資産に変える初回設計」を組みたいと思ったら
Follow to DMのような新機能は、ほぼ毎月のように増えていく。けれど、機能を追いかけるほど「結局どう設定すれば自然に見えるのか」が分からなくなる。SUICSがManyChat構築でやっているのは、機能の解説ではなく、あなたのアカウントの「フォロー直後の1分」をどう設計するかを一緒に決めて、実装まで渡すことだ。フォローという熱の頂点を、毎週きちんとリストに変えていく仕組みをつくる。
無料プランでどこまで試せるかが気になる方は 「ManyChat無料プランでどこまでできるか」 記事を先に読むと、自分で踏み出す範囲が見えてくる。そのうえで「設計は専門家に任せたい」となったら、相談から始めてほしい。