事業1年目、HPに30万円かけて1年間眠らせた話
事業を始めて2ヶ月目に、知り合いの制作会社に30万円を払ってホームページを作った。「事業者なら、ちゃんとしたHPがないと信頼されない」と思ったからだ。
結果から書く。その HP は、半年間ほぼ誰にも見られなかった。月のアクセス数は数十回。問い合わせ件数はゼロ。投資した30万円は、ほぼ寝た状態になった。
逆に、同じ時期に始めたInstagram投稿(無料)の方が、フォロワーが少しずつ増えて、月3〜5件の問い合わせが来るようになった。あの時、HP30万円分の予算をInstagram投稿用のカメラ機材+ManyChat構築に使っていたら、初年度の売上は3倍は違っていた、と今でも思う。
あの頃の自分のような迷いを、相談で受けることが多い。「SNSとHP、結局どちらにお金をかけるべきか?」——今日は、HP制作とManyChat構築(SNS集客)の両方を125社で手がけてきた立場から、フラットな答えを書く。事業フェーズと業種で答えが180度違うので、判断軸を明確に整理する。
そもそもSNSとHPの本質は別物
「SNS vs HP」と並列で比較されがちだが、この2つは役割がまったく違う。同じ予算枠を奪い合うものではなく、事業の異なる段階で必要になるインフラだ。
強み:無料で始められる/即効性/拡散力
弱み:プラットフォーム依存/消費される情報
必要時間:毎日30分〜2時間
強み:資産として残る/検索流入/信頼基盤
弱み:初期費用がかかる/更新の手間/集客には弱い
必要時間:制作1〜3ヶ月+月1回程度の更新
つまり、SNSは「集客装置」、HPは「成約装置」。同じ「集客」と一括りにすると判断を間違える。事業がどのフェーズにあるかで、どちらに投資するかの答えが決まる。
事業フェーズ別の投資配分3パターン
SUICSが125社で見てきた、最も成果が出やすい投資配分を3つのフェーズに分けて書く。月商規模を目安にしているが、業種により幅がある。
- SNS投資の例 :Instagram撮影機材(5万)/ManyChat構築(外注の場合の予算)/投稿テンプレ用Canva
- HP投資の例 :ペライチ・Studio無料/ドメインのみ年1000円程度/自分で作って公開
- このフェーズの罠 :いきなり30万円のHP制作を発注して、後悔するパターン
- SNS投資の例 :ManyChat Pro月額/プロ撮影/月の広告予算3〜5万
- HP投資の例 :LP制作(10〜15万)/HP制作(30〜50万)/決済システム連携
- このフェーズの罠 :HPだけ作って、SNSの投稿頻度を落としてしまうパターン
- SNS投資の例 :継続運用+広告10万/月/コンテンツ外注
- HP投資の例 :LP複数本/A/Bテストツール(月3万)/SEO記事制作
- 統合投資の例 :systeme.io・MailChimp等のメルマガ/自動化スクリプト構築
事業フェーズで投資配分を変えれば、
両方が事業を加速させる。
業種別「どちら優先」の傾向
フェーズだけでなく、業種でも優先順位は変わる。125社で見えてきた業種別の傾向を表にまとめる。
自分の業種が表に当てはまる場合は、まずその推奨パターンから検討する。当てはまらない場合は、「お客さんはどこで自分のサービスを知るか」「決断する前に何を見るか」を1人のお客さんを思い浮かべて考えると、答えが見えてくる。N1思考の話は 「投稿しているのに反応がない3つの本当の原因」 でも書いている。
「両方やる」前に、避けたい3つの失敗
SNSもHPも両方育てるのが理想だが、よくある失敗3つを先に書いておく。
- 失敗①:立ち上げ期にいきなり高額HP制作 :30万〜50万かけて、サービス内容が定まる前にHP作る。半年後に内容が変わって、また作り直し
- 失敗②:成長期にSNS投稿を止める :HP公開と同時に「これで集客できる」と勘違いしてSNS投稿が止まる。半年後、新規流入がゼロに
- 失敗③:両方バラバラに運営して、動線が繋がっていない :SNS投稿でHPに誘導しない。HPから問い合わせしてもメルマガがない。各装置が孤立して、機会損失が積み重なる
失敗①②③を避けるには、事業フェーズに応じた優先順位を最初に決めて、半年に一回見直すのが基本。マーケティング全体像の話は 「集客→リスト→販売、自動化の全体像」 記事でも整理している。
「自分のフェーズと業種でどう投資するか相談したい」とき
事業フェーズと業種で投資配分が決まる、と書いたが、「自分のケースで具体的にどうするか」を1人で判断するのは難しい。「もう少しSNSに振った方がいいか」「そろそろHPに本格投資すべきか」、こういう判断こそ、外部の視点が役立つ。
SUICSは、ManyChat構築(SNS集客)とHP/LP制作の両方を125社規模で手がけている。だから、SNSに偏った提案も、HPに偏った提案もしない。御社の事業フェーズと業種を見て、フラットに優先順位を提案する。「ManyChatだけ売りたい」「HPだけ作らせたい」というポジショントークが入らない。