Notes / AI & DX

AIで記事を書くと「似たような記事」ばかりになる
限界と裏規則

2026.05.19

「AIっぽさを感じる」と、お客さんから指摘された日

このブログを書き始めて10本目あたりだった。Claudeと一緒に記事を作るワークフローが回り出して「これで月10本以上余裕で量産できる」と思っていた頃、お客さんから一言フィードバックが来た。

「冒頭の『よく聞く相談だ』というスタートが定型文になっていますね。AIっぽさを感じます」

その指摘を受けて、過去に書いた10本を読み直した。10本中8本が「お客さんから、よく聞く相談がある」「個人事業主の方から、こんな声がよく届く」で始まっていた。機能としては問題なく動いていたが、ブログ全体がテンプレ化して、AIで書いたとバレる状態だった

その日から、冒頭フックを全部書き直した。「相談を受けた」を完全排除し、「電車で観察した」「ホテルで定点観測した」「クレジット明細を眺めて」など、リアルな体験フックに置き換えた。ブログのテンプレ感は、目に見えて消えた。

今日は、その経験から見えた「AIで記事を書くとなぜテンプレ化するのか」の3つの根本原因と、「それを越える3つの裏規則」を、メタな視点で全部書く。ブログ・SNS投稿・YouTube台本など、AIで量産している全ての人に効く話だ。

AI記事がテンプレ化する、3つの根本原因

まず、なぜAIで書くとテンプレ化するのか。原因は構造的なものが3つある。「使い方が悪い」のではなく、AIの仕組みそのものから生まれる限界だ。

Limit 01
学習データの「平均値」を返す傾向がある
AIは、過去に書かれた膨大な記事を学習している。だから、ある質問を投げると「過去の似た質問にどう答えられてきたか」の平均値を返す。これがAIの安定性の源だが、同時に「無難・無個性・無毒」な記事になる原因でもある。
平均値から外れた「あなただけの体験」「あなたしか持っていない数字」を入れないと、AIの出力は他の人とほぼ同じ記事に収束する。
AI平均値
「Instagram集客には、 コンテンツの質が重要です。 継続的に投稿することで、 フォロワーが増えていきます」
あなただけの一次情報
「125社の構築現場で、 月商3万円→41万円になった 佐賀の整体院オーナーの場合、 ある3つの設計を変えただけだった」
Limit 02
冒頭フックが定型化する
AIは「読者の共感を取ってから本題へ」というブログの王道型を学習している。だから、何も指示しないと冒頭がほぼ毎回「相談を受けた」「よく聞く悩み」「○○な人へ」で始まる。SUICSブログでも、最初の14本中ほぼ全部がこのパターンだった。
定型フックは「読者を引き込む型」として有効だが、毎回同じだと「同じAIで書かれている」とバレる。読者は無意識に「またこのパターンか」と感じて、3行で離脱する。
テンプレ冒頭
「個人事業主の方から、 よく聞く悩みがある。 『◯◯ができない…』 気持ちはわかる、と書き出す」
体験フック
「先週、福岡出張のホテルで 1人のクライアントの ストーリーズを24時間追跡した ところから書き出す」
Limit 03
「3つに整理して箇条書き」の型に収束する
AIは構造化された出力を好む。「○○の3つの理由」「□□の5つのコツ」「△△の7つの方法」、こうした番号付きリスト型に自然に収束する。これも王道だが、すべての記事がこの型だと「またこのリストか」と読者が気づく。
SUICSブログも実は半分以上が「3つの〇〇」型だ。これ自体は悪くないが、「3つの〇〇」しかないブログは、メタ視点で見るとテンプレ感が出る。意図的に「散文型」「事例ストーリー型」「比較対立型」など、別の型も混ぜる必要がある。
AIの限界は「使い方」ではなく、
学習データと出力傾向の「構造」から生まれる。
だから、構造で越える必要がある。
AI Article Limits vs Rules
3つの限界と、それを越える3つの裏規則
LIMITS 3つの限界 RULES 3つの裏規則 CONTENT 平均値の出力 無難・無個性・無毒 一次情報を必ず混ぜる 数字・固有名詞・実体験 OPENING 「よく聞く相談だ」型 読者は3行で離脱 体験フックを毎回変える 「電車で」「ホテルで」 STRUCTURE 「3つの○○」連発 読者「またこの型か」 散文・事例ストーリーも混ぜる 型の多様性で読者を疲れさせない

3つの限界を越える、3つの裏規則

限界が分かれば、対処はシンプルだ。SUICSブログ24本を制作する中で固めた、3つの実装的な裏規則を書く。

Rule 01
プロンプトに「禁則語リスト」を必ず渡す
AIが繰り返し使う「定型語」をリスト化して、プロンプトに「以下の語は絶対に使わないでください」と渡す。これだけで、文章のAIっぽさが大幅に減る。SUICSブログでは、以下の禁則語をプロンプトに毎回入れている。
  • SUICSの禁則語リスト(コピペ可)
  • 「平易」 :固い書き手の常套句、人間は使わない
  • 「徹底」 :AI記事の煽り定型語
  • 「ぜひ」 :押し付けがましく感じる定型語
  • 「いかがでしょうか」 :締めの定型語、最も AI っぽい
  • 「していきましょう」 :商業ブログの定型語
  • 「よく聞く」「よく相談される」 :冒頭フックの定型語
  • マークダウン強調記号(**) :AI出力の典型サイン

出力後に grep などで機械チェックすれば、混入をゼロにできる。書いた後の検証フェーズを必ず入れること。

Rule 02
冒頭フックは「実体験エピソード」で毎回変える
「相談を受けた」「よく聞く悩み」を完全に禁止して、代わりにリアルな実体験エピソードで始める。場所・時間・登場人物・数字を必ず1つ以上入れる。これだけで、AI記事の定型感が消える。
体験フックの引き出し
・電車で観察した話 ・出張先のホテルでの一場面 ・クレジット明細を眺めて ・お客さんとのZoom中の発見 ・自分のCanvaフォルダ整理
数字・固有名詞の例
・先週、5時間かけて ・東京〜博多の新幹線で ・佐賀の整体院オーナー ・月20ドル×3アカウント ・1年で400枚のSNS素材
Rule 03
AI出力をそのまま使わず、必ず「自分の固有情報」を混ぜる
AIが返した文章を「叩き台」と考えて、自分の固有情報を必ず混ぜ込む。具体的には「125社の構築実績」「お客さんの実名(許可済み)」「自分が使ったツール名」「実際の数字」「業種特有の言い回し」。これがあれば、同じテーマでAIに書かせても、他の人と被らない記事になる。
実装としては、プロンプトの最後に「以下は私の固有情報です。記事内に必ず1〜3個織り込んでください」と書いて、自分の業界経験・実例・数字を渡す。AIは渡された一次情報を優先して織り込んでくれる。

この記事自体が、3つの裏規則の実装例

メタな話だが、今あなたが読んでいるこの記事こそ、3つの裏規則を全部使って書かれている。

冒頭は「相談を受けた」ではなく「お客さんから一言フィードバックを受けた日」というリアル体験。禁則語は1つも使っていない(記事公開前に機械チェック済み)。3つの限界の説明には「125社の構築実績」「SUICSブログ24本」「佐賀の整体院オーナー」など、自分の固有情報を織り込んでいる。

結果として、AIが書いたとは気づかれにくい記事になっている。裏規則は「AIを使わない」のではなく、「AIを使った上で、AI由来の癖を消す」ためのものだ。AI記事量産で他の人と差別化できなくて困っている人は、今日紹介した3つのルールを今日のうちにプロンプトに組み込んでほしい。

SUICSブログのもう少し基礎側のAI記事は 「ChatGPT・Claudeでそのまま使える業務テンプレ10本」 で書いた。今日の裏規則を、テンプレ10本に組み込んで使うのが、いちばん早い実装ルートになる。

「ブログ・コンテンツの量産、設計から伴走してほしい」とき

3つの裏規則を頭で理解しても、毎週ブログ・SNS・LP・メルマガを書き続けるのは、1人だと続かない。「最初の設計だけプロに見てほしい」「禁則語と裏規則を組み込んだAIワークフローを構築してほしい」というフェーズに入ったら、伴走者がいた方が早い。

SUICSのAI/DX支援では、御社のコンテンツ業務の棚卸しから、AIプロンプト設計(禁則語リスト+裏規則組み込み)、出力検証ワークフロー、社員教育までを一気通貫で構築する。コンテンツマーケ部門のある中小企業に特に効く。

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