初めてClaudeに長文を書かせた夜、画面の前で固まった
18ヶ月前、ChatGPTを1年ほど使っていた頃に、初めてClaudeを開いた夜のことを覚えている。試しに、その日書きかけていた営業メールの下書きを丸ごと貼り付けて「これを、もう少し相手に届く文章に書き直してほしい」と投げた。
30秒後、返ってきた文章を読んで、画面の前で固まった。「これ、自分が書きたかった文章そのものだ」と。ChatGPTの返しはいつも「ありそうな文章」だったが、Claudeのそれは「自分の口調で、自分の論理で、相手の心に届くように整えられた文章」だった。
その夜から18ヶ月、Claudeは僕の業務で1日に何時間も開く相棒になった。文章を書く、長文を読む、事業を考える、コーディングする。気づけば、ChatGPTより開く頻度が多い時期もあった。
今日は、まだClaudeを触っていない経営者・個人事業主の方へ、「今日から、自分の業務に組み込むまで」を3ステップで書く。登録手順より大事な「最初の1週間で何を試すか」に重点を置く。読み終わるころには、明日の朝から動ける状態になっているはずだ。
なぜ今、ChatGPTに加えてClaudeなのか
「ChatGPTを使っているから、Claudeは要らないのでは?」とよく聞かれる。気持ちは分かる。学習コストもあるし、月額も追加でかかる。
でも、両方使ってきた経験から言うと、Claudeは「ChatGPTの代わり」ではなく、「役割が違う相棒」だ。料理に例えるなら、ChatGPTは万能フライパン、Claudeは出汁を取る土鍋。どちらも台所に要るが、得意な料理が違う。
Claudeの得意分野は、ざっくり3つ。「自然な日本語で書く」「長い文章や資料を理解する」「腰を据えて深く考える」。経営者がいちばん時間を使う「文章を書く・読む・考える」シーンと、Claudeの得意分野は完全に一致する。
3つのAIの使い分けについては 「ChatGPT・Claude・Gemini、18ヶ月使い分けてわかったリアルなルール」 で詳しく書いた。今日はその「Claudeに絞った入門」だ。
今日からClaudeを使い始める、3ステップ
まずは結論から。3ステップは、合計でかかる時間も含めて以下の通り。
- 登録手順 :claude.ai →「Sign up」→ メールアドレス入力 → 認証コード入力 → 完了
- 無料プランで試せること :Sonnet モデルでの対話、PDF/画像のアップロード、長文の要約
- 有料に上げるべきタイミング :1日10回以上開くようになったら Pro(月20ドル)へ。最新の Opus モデル、長時間利用、Claude Code 利用が可能に
- タスクA:今日書きかけの文章を、改善してもらう :営業メール、提案書、SNS投稿、社内通達——何でもいい。書きかけた文章をそのまま貼って「もう少し読みやすく、相手に届く形に直してほしい」と頼む。返ってきた文章で、Claudeの日本語力を体感できる
- タスクB:手元のPDFや長文を要約してもらう :契約書、業界レポート、競合のホワイトペーパー——10〜50ページのPDFをアップロードして「要点を3つにまとめて」と頼む。1時間かかる読み込みが、3分で終わる体験ができる
- タスクC:今、頭の中にある事業の悩みを、壁打ちしてもらう :「今期の売上をどう伸ばすか」「新サービスの設計をどう考えるか」——会議で話すような問いを、そのまま投げる。Claudeは論点を整理して返してくれる。社内に同じ目線の相談相手がいない経営者ほど、この機能の価値が大きい
- マイ用法の例①:朝のSlack/メール返信の下書き :朝届くメッセージをClaudeに渡して「自然な返信文を3パターン作って」と頼む。15分の返信作業が5分になる
- マイ用法の例②:会議後の議事録の整理 :Zoomの文字起こしテキストを丸ごと貼って「要点・宿題・次のMTG予定を抽出」と頼む。1時間の整理作業が10分に
- マイ用法の例③:SNS投稿の下書き :今日の出来事を箇条書きで渡して「Instagramの投稿文に整えて」と頼む。文章を考える時間そのものが消える
- マイ用法の選び方 :自分が「いちばん面倒だと感じている、毎日のルーティン作業」を1つだけ選ぶ。複数同時にやろうとすると挫折する
最初の1週間と、マイ用法1つで、
Claudeは相棒になる。
経営者がつまずきやすい、3つのポイント
18ヶ月の業務利用と、紹介した経営者の方々を見てきて、最初のつまずきパターンは3つに集約される。先に知っておくと、挫折を1段階手前で防げる。
アプリを入れて、最初の挨拶だけ交わして、それで終わる。「これで仲間入りした」気になって、業務に組み込めない。→ 対策:Step 02 の3タスクをカレンダーに予定として入れる。「明日の朝10時、Claudeで○○を試す」と。
「プロンプトエンジニアリング」の記事を読み込んで、完璧な指示文を作ろうとして、結局何も投げられない。→ 対策:友人に話しかけるくらい雑な言葉で投げる。「これ、もう少し読みやすく直して」で十分。Claudeは曖昧な指示にも質問で返してくれる。
お客さんの名前、契約金額、機密情報——「入れていいんだっけ」と迷って、結局使わなくなる。→ 対策:固有名詞だけ伏字に置き換えて投げる。「クライアントA社」「金額X円」のように。それでも十分機能する。Claude Pro / Team以上は学習データに使われない設定が標準。
「最初のマイ用法」が決まると、次が見えてくる
マイ用法が1つ定着すると、不思議なことに「次もこういう場面で使えそう」が自然に見えてくる。脳が「Claudeで解ける形」に業務を再構成し始めるからだ。
そこから先は、自分の業務の中で、文章・要約・思考・コードのどれかが必要な場面が出てきたら、自然にClaudeを開くようになる。気づけば、ChatGPTより開く頻度が増えている、という人も多い。
ちなみに、Claudeをさらに使い込みたい方向けには、もう少し深い記事も用意している。「Claude Codeで僕の作業時間が半分になった実例3つ」 では、Claude Code(コーディング・業務スクリプト作成に強い派生ツール)を、非エンジニアの経営者が業務に組み込む話を書いている。Step 03で「もっと自動化したい」と感じた人は、次のステップとして読んでみてほしい。
「自分の会社で何にClaudeを使うべきか」が見えないとき
個人で試すぶんには3ステップで十分だが、「会社として全社員にClaudeを展開したい」「自分の業務以外のどこに組み込めるか相談したい」というフェーズに入ったら、伴走者がいた方が早い。
SUICSのAI/DX支援では、まず業務棚卸しから入って、Claude/ChatGPT/Geminiのどれを、どの業務に、どの順番で組み込むかを設計する。実装・社員教育・定着支援まで、一気通貫でお渡しする。