Notes / AI・DX

【2026年9月最新】Claudeから“チャットかCoworkか”の選択が消える。
統合後に店主が決める「Manual/Auto」の3つの使い分け

2026.09.18

9月17日の朝、ホテルの部屋で開いたClaudeは、夜のうちに1歩目で止まっていた

9月17日、水曜の朝6時。出張先のホテルでノートPCを開いた。前の晩、寝る前にClaudeのCowork(ファイルを読んだり、資料を作ったりする作業用の画面)に「クライアント3社の先月のDM件数をまとめて、報告書の下書きにしておいて」と頼んで、そのまま眠った。朝には出来上がっているつもりだった。

画面には、下書きはなかった。あったのは「このフォルダを読んでもいいですか」という確認の1行と、「許可」のボタンだけ。夜中に頼んだ作業は、最初の1歩で止まって、私が起きるのを7時間待っていた。悪いのはClaudeではない。「どこまで確認なしで進めていいか」を、私が決めていなかった。それだけの話だ。

同じ日の朝、Anthropic(Claudeを作っている会社)が発表を出していた。「チャット」と「Cowork」を1つにする、という内容だ。これまで入力欄の横で選んでいた2つの入口がなくなり、代わりに「Manual」と「Auto」という、確認の頻度を決める設定が入力欄に置かれる。つまり、私が7時間分の失敗で学んだ「どこまで任せるか」が、これからはClaudeを使う全員が、最初に決めることになる。今日は、その決め方を書く。

先に結論——「どっちのモードか」は消えて、「どこまで任せるか」だけが残った

言葉を1つだけ、そろえておく。これまでのClaudeには、入口が2つあった。質問に答えてもらう「チャット」と、ファイルを読ませたり、Webを調べさせたり、資料を作らせたりする「Cowork」だ。どっちで頼めばいいのかは、使う側が先に決める必要があった。

2026年9月16日(アメリカ時間)、Anthropicは公式ブログと公式ヘルプで、この2つを1つにすると発表した。この記事は、その公式ブログと、公式ヘルプの「Claude Cowork and chat are one Claude」「Use Claude Cowork safely」の3ページを、9月18日に実際に開いて確認して書いている。確認できた内容は、次のとおりだ。

1つ目。入口を選ばなくてよくなる。短い質問なら短く答え、大きな仕事なら、Web検索・ファイルの読み込み・計算まで、Claudeが自分で手段を選んで進める。同じ会話の中で、両方を頼める。2つ目。まずProとMaxの有料プランに、数週間かけて順番に届く。同じプランでも届く日は人によって違う。入力欄にまだ「Chat」と「Cowork」の切り替えが出ている人は、まだ届いていない。Teamと無料プランはその後。一度新しい画面に切り替わると、前の2つに分かれた画面には戻せない。3つ目。文書を作る「Claude Docs」と、スライドを作る「Claude Slides」が同じ日に加わった。デザインを作る「Claude Design」と合わせて3つとも有料プランの試験提供(ベータ)で、作ったものはPowerPointやPDFで保存できる。

そして4つ目が、今日の本題だ。入力欄に「どのくらい確認するか」の設定が置かれた。公式ヘルプの言葉をそのまま訳すと、「Manual(初期設定)」はClaudeが行動する前に毎回聞いてきて、許すかどうかを自分で選ぶ。「Auto」は途中で止まらずに進み、行動の前に自動の安全確認が走る。設定はいつでも変えられて、会話ごとに効く。作業中に止めたり、やり直させたりもできる。

細かい変更も3つ。Web検索のオン/オフの切り替えはなくなり、必要なときにClaudeが自分で検索する。Coworkにあった「全体の指示文」は、設定の「General」の中の「Claudeへの指示」に引っ越したので、すでに指示文を書いていた人は、場所と中身を一度見に行ったほうがいい。そして、Webを調べたり、ファイルを作ったりする長い作業は、短い質問より利用量(プランごとに決まっている使える量)を多く使う。Autoで長く走らせるほど、上限に早く届く。

「モードを選ぶ」より「権限を決める」ほうが、店主には難しい

正直に言うと、「チャットかCoworkか」は、間違えても大した害はなかった。チャットで頼んだ大きな仕事は、ただ途中で止まるだけだった。今回入れ替わった「ManualかAutoか」は、性質が違う。Autoにすると、Claudeは確認なしで、ファイルを書き換え、メールを送り、フォームを埋めるところまで進める。便利さと、取り返しのつかなさが、同じスイッチについている。

公式ヘルプの安全のページには、判断の物差しがはっきり書いてある。Claudeの道具は、大きく2種類に分かれる。「読む道具」と「書く道具」だ。読む道具は、ファイルや受信箱を読む、画面を見る。書く道具は、予定を作る、ファイルを消す、画面を押す、送る。そして、書く道具のほうが危ない、と公式は明言している。さらに、Manualにすべき場面として、3つを挙げている。大事なファイルや口座やサイトに触れる作業。初めて使う道具や初めてのサイト。取り消しにくい作業、たとえばメッセージの送信や買い物。

SUICSはClaude導入の支援をしていて、「AIに任せる範囲」で迷う店主を何度も見てきた。怖がって全部を自分で確認し、結局使わなくなる人と、一度うまくいったので全部任せて、送ってはいけないものを送ってしまう人。真ん中がない。今日の3つは、その真ん中を作る分け方だ。1つ目は「読むだけの作業」、2つ目は「店の外に出る作業」、3つ目は「初めての作業」だ。

使い分け 01
読むだけの作業はAuto——要約・下書き・数字のまとめは、止まらせないほうが得
冒頭の私の失敗は、ここに入る。「フォルダを読んで、下書きを作る」は、読む道具しか使わない。読んだあとに作るのも、会話の中の下書きで、店の外には何も出ない。こういう作業は、Autoでいい。毎回「読んでいいですか」で止まるのは、確認ではなく、ただの待ち時間だ。お客さんからのメッセージの要約、先月の予約数のまとめ、投稿文や口コミ返信の下書き。全部、Claudeが読んで、書いて、こちらに見せるところまでで終わる。ここで1つだけ、公式の注意を足しておく。Autoにしても、Claudeは「行動の前に安全確認を自動で走らせる」が、公式は同時に「危険がゼロになるわけではない」とも書いている。だから、Autoで渡すフォルダには、お客さんの名簿や、口座の情報や、契約書を入れない。SUICSが支援で最初に頼むのは、Claude専用の作業フォルダを1つ作ってもらうことだ。そこに入れたものだけをClaudeが読む。この線があれば、Autoは安心して使える。
向く作業
要約・下書き・数字のまとめ
設定
Auto
先に用意する
Claude専用の作業フォルダ
使い分け 02
店の外に出る作業はManual——送る・載せる・買う・消すは、最後の1回を人が押す
ここが、いちばん大事な線だ。メールやDMを送る。Instagramに投稿する。予約サイトのフォームを埋める。何かを買う。ファイルを消す。この5つは、実行した瞬間に、店の外の誰かに届くか、元に戻せなくなる。公式ヘルプが「近くで見ていてほしい」と書いているのも、まさにこの種類の作業だ。だから、ここはManualにする。Claudeに下書きまでは作らせて、「送る」の1回だけを自分が押す。SUICSでも、送金・公開・外部への送信は「AIが作って、人が承認する」を社内の決まりにしていて、この1行だけは一度も緩めていない。送ったメールは取り消せないからだ。もう1つ、公式が名指しで注意している場面がある。「予約実行」だ。毎週月曜の朝に自動で走る、という頼み方ができるようになったが、公式は、送信や買い物のように取り消せない作業は予約実行に入れないでほしい、と書いている。自分が見ていない時間に走るからだ。予約実行に入れていいのは、使い分け01の「読むだけの作業」まで。「送る作業を、Autoで夜に走らせる」は、朝起きたら知らないメールが出ている、になる。
向く作業
送る・載せる・買う・消す
設定
Manual(最後の1回は人)
予約実行
入れない
使い分け 03
初めての作業は最初の3回だけManual——道具にも、Claudeにも、慣らし運転がある
01と02で決めきれない作業がある。「新しくつないだ予約アプリのデータを読ませる」「初めて使う会計ソフトの取り込み」「初めて開くサイトからの調べもの」。読むだけの作業なのに、道具が初めてで、何が起きるか分からない。公式ヘルプも、初めて使う道具やサイトのときはManualに切り替えてほしい、と書いている。ここは、回数で決める。最初の3回はManualで、Claudeが何を読み、何を押そうとするかを、確認の画面で1つずつ見る。3回とも「そうそう、それでいい」なら、4回目からAutoにする。3回のうち1回でも「え、そこを読むの?」があったら、フォルダの中身か、頼み方を直してから、また1回目に戻る。新しく入ったスタッフに仕事を教えるのと同じ順番だ。設定は会話ごとに効くので、会話の名前に「慣らし2回目」と書いておくと迷わない。もう1つ。設定の「General」に引っ越した「Claudeへの指示」に、「お客さんの名前・住所・電話番号は、どの作業でも読み上げない・書き出さない」の1行を入れておく。ManualでもAutoでも効く、いちばん下の安全網になる。
向く作業
初めての道具・初めてのサイト
設定
3回Manual→4回目からAuto
戻す条件
「え、そこ読むの?」が1回でも
モードを選ぶ手間は、
消えたのではなく、
「どこまで任せるか」に形を変えた。
Manual / Auto — 3 rules
読むだけ・外に出る・初めて。作業の中身で、確認の頻度を決める
頼みたい作業は、どれに近いか 使い分け 01 — 読むだけの作業 要約・下書き・数字のまとめ → Auto 店の外には何も出ない。止めるだけ損 使い分け 02 — 店の外に出る作業 送る・載せる・買う・消す → Manual 下書きまでAI、最後の1回は人が押す。予約実行には入れない 使い分け 03 — 初めての作業 初めての道具・初めてのサイト → 3回Manual、4回目からAuto 「え、そこ読むの?」が1回でもあれば、1回目に戻す 3つに共通する土台 Claude専用の作業フォルダを1つ 名簿・口座・契約書は入れない 「Claudeへの指示」に1行 お客さんの名前・住所・電話は出さない 任せる範囲は、AIではなく店主が決める

今日から始めるための、1枚のメモ

新しい画面が自分のアカウントに届くのは、数週間のうちのどこかで、日は選べない。だから、届く前に決めておくほうがいい。届いた日に迷わないためのメモは、次の形で足りる。自分の店の作業を、上の3つに振り分けて書き込むだけだ。

【Claudeに任せる範囲のメモ】 Autoでいい作業(読むだけ):  ・お客さんからのメッセージの要約  ・先月の予約数・DM数のまとめ  ・投稿文・口コミ返信・お知らせの下書き Manualにする作業(店の外に出る):  ・メール・DMの送信  ・Instagram・LINEへの投稿  ・予約や注文のフォーム入力、買い物  ・ファイルの削除 慣らし中の作業(3回Manual→Auto):  ・新しくつないだ予約アプリのデータ読み込み(今:1回目)  ・初めて使う会計ソフトの取り込み(今:0回目) 土台:  ・Claude専用フォルダ:「Claude作業用」(名簿・口座・契約書は入れない)  ・「Claudeへの指示」の1行:お客さんの名前・住所・電話番号は、どの作業でも読み上げない・書き出さない  ・予約実行に入れるのは、Autoの欄の作業だけ  ・利用量は週1回、設定の「Usage」で見る

このメモは、Claudeのためというより、自分のためのものだ。最初の1週間は、Autoの欄の作業だけで使ってみてほしい。「止まらない」の気持ちよさを知ってから、慣らしの欄に進む順番が、いちばん失敗が少ない。

SUICS Service — AI / DX 導入支援
「うちの店の、どの作業をどこまで任せるか」を、一緒に振り分けます。
解決できる悩み:「ManualとAutoのどっちにすればいいか、作業ごとに分からない」「Claudeに渡していいファイルと、渡してはいけないファイルの線が引けない」「スタッフにも使わせたいが、送信や投稿を勝手にされそうで怖い」「予約実行に何を入れていいか決めたい」「Coworkに書いていた指示文が引っ越して、どこを直せばいいか分からない」。店の作業の棚卸し→3つの欄への振り分け→専用フォルダと指示文の1行の設計→最初の1週間の伴走まで、125社の現場で言語化してきた型でお手伝いします。
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最後に:任せる範囲を決めた人だけが、止まらないAIの恩恵を受け取れる

9月17日の朝に見た「許可」のボタンは、Claudeが慎重だった証拠であって、失敗ではなかった。失敗だったのは、慎重でなくていい作業に、慎重な設定のまま夜を任せた私のほうだ。逆の失敗は、もっと痛い。慎重であるべき作業に、止まらない設定で夜を任せると、朝には取り消せないものが外に出ている。

「チャットかCoworkか」を選ばなくてよくなったのは、間違いなく楽になる。ただ、その楽さは、「どこまで任せるか」を店主が決めた上に乗っている。公式ヘルプの最後には、Claudeが代わりに行ったことの責任は、送った内容も、買ったものも、すべて使う本人にある、と書いてある。裏を返せば、決める権利も本人にある。SUICSがClaude導入を125社の延長で支援してきて、うまくいっている店に共通していたのは、AIの賢さより、この「決めている」の一点だった。届く前に、メモを1枚。それだけで、朝の画面はずいぶん変わる。

Claudeに任せる作業と、任せない作業。店の言葉で振り分けてみませんか

「ManualとAutoを、作業ごとにどう決めればいいか分からない」
「渡していいファイルの線引きを、一緒に引いてほしい」
「新しい画面が届く前に、店の決まりを1枚にしておきたい」
現状の使い方を聞かせていただくところから、始められます。

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