Notes / Instagram

インスタのDM自動返信のやり方。
コメントに反応してDMを送る設定の5ステップと、送れない時に見る2つの場所

2026.09.19

9月15日の夜10時40分、閉店後の焼き菓子店のカウンターで、オーナーはコメントを1件ずつDMに写していた

9月15日、火曜の夜。佐賀市内の焼き菓子店に、閉店後の打ち合わせで寄った。店のカウンターに座ったオーナーは、私の話を聞きながら、スマホから目を離せずにいた。その日の昼に上げた新作のリールに「レシピ欲しい」というコメントが、夕方までに31件ついていた。オーナーは、その31人のアイコンを1つずつ押して、DMの画面を開き、レシピのPDFの案内文を貼って送る、を繰り返していた。時計を見たら、10時40分だった。

「これ、自動で送れるって聞いたことはあるんですけど、設定のどこを触ればいいか分からなくて」。この一言が、今日の記事のすべてだ。コメントに反応してDMを自動で送る仕組みは、やることが5つある。順番どおりに触れば、31人に手で送っていた40分は、翌日からゼロになる。逆に、順番を飛ばすと「設定したのに1通も届かない」が起きる。この記事では、5つの手順と、届かない時に見る2つの場所を、店舗のInstagramを125社分組んできた順番のまま書く。

先に結論——やることは5つ。プロアカウントにして許可を出し、道具をつなぎ、合図の言葉を決め、最初の1通を作り、返事が来たら2通目を送る

言葉を1つだけ、そろえておく。「コメントに反応してDMを送る」仕組みは、Instagramのアプリだけでは完結しない。Instagramに「外の道具」をつなぎ、その道具に「こういうコメントが来たら、この文章をDMで送って」と教えておく形になる。この記事で使う道具は、ManyChat(Instagramの自動返信を組む、いちばん使われている外部サービス)だ。7月の記事で触れた、Instagramのアプリの中に出てきた純正の自動化メニューは、出ている人と出ていない人がいる。今日は、どのアカウントでも同じ手順で組めるManyChatで書く。

この記事は、ManyChatの公式ヘルプ「How to connect Instagram to Manychat」「Instagram Post and Reel Comments trigger」「Free plan」の3ページを、9月19日に確認して書いている。公式で確認できた範囲だけを手順にした。やることは、次の5つだ。

1つ目、Instagramをプロアカウントにして、「メッセージへのアクセスを許可」をオンにする。2つ目、ManyChatとInstagramをつなぐ。3つ目、どの投稿の、どんな言葉のコメントに反応するかを決める。4つ目、コメント欄への公開返信と、DMで送る最初の1通を作る。5つ目、相手が返事をしたら送る2通目を作る。順番に見ていく。

ステップ 01
プロアカウントにして、「メッセージへのアクセスを許可」をオンにする——ここが閉じていると、あとの4つは全部動かない
公式ヘルプに、はっきり書いてある。ManyChatにつなげるのは、Instagramの「プロアカウント」(ビジネスまたはクリエイター)だけで、個人アカウントはつなげない。まだ個人アカウントの人は、Instagramの設定から「プロアカウントに切り替える」を先に済ませる。切り替えは無料で、投稿やフォロワーはそのまま残る。次に、Instagramのアプリで「設定とアクティビティ」→「メッセージとストーリーズへの返信」→「メッセージコントロール」→「連携済みのツール」と進み、「メッセージへのアクセスを許可」をオンにする。英語の画面では「Connected tools」の中の「Allow access to messages」だ。冒頭の焼き菓子店は、実はこのスイッチが1つ前の担当者の設定でオフになっていて、ここを開くまでに15分かかった。ManyChat側でいくら組んでも、Instagram側のこの扉が閉まっていれば、DMは1通も出ていかない。最初にここを見る癖をつける。
触る場所
Instagramアプリの設定
条件
プロアカウント(個人は不可)
スイッチ
メッセージへのアクセスを許可=オン
ステップ 02
ManyChatとInstagramをつなぐ——つなぎ方は3つあるが、ひとりの店は「Instagramで直接」でいい
ManyChatに無料で登録し、チャンネルとしてInstagramを選ぶ。公式ヘルプには、つなぎ方が3つ載っている。「Instagramで直接つなぐ」「Meta経由でつなぐ」「Meta Business Suite経由でつなぐ」だ。いちばん速くて簡単なのは1つ目で、Facebookの事業用アカウントを持っていなくてもつながる。2つ目は、フォローした瞬間にDMを送る機能など、新しい機能を使いたい人向けで、Instagramを「Metaビジネスポートフォリオ」(Facebook側の事業用のまとめ口)に入れておく必要がある。3つ目は広告を本格的に出す会社や代理店向けだ。コメント返信を組むだけなら、1つ目で足りる。つなぐ途中で「許可しますか」の画面が何度か出る。ここで1つでも「許可しない」を押すと、あとで「投稿の一覧が読み込めない」が起きる。全部許可して進む。
触る場所
ManyChatの管理画面
選ぶ方法
Instagramで直接つなぐ
注意
許可の画面は全部「許可」
ステップ 03
どの投稿の、どんな言葉に反応するかを決める——合図の言葉は「言い方の違い」を3つ登録する
ManyChatで新しい自動化を作り、きっかけ(トリガー)に「Instagramの投稿・リールへのコメント」を選ぶ。公式ヘルプによると、ここで決めるのは2つ。「どの投稿か」と「どんなコメントか」だ。投稿は、特定の1本を選ぶか、すべての投稿を対象にするかを選べる。コメントは、どんな言葉でも反応させるか、決めた言葉(キーワード)を含むときだけ反応させるかを選べる。おすすめは、1本の投稿に、決めた言葉だけ、から始めることだ。そして、ここに1つ、現場でいちばん多い落とし穴がある。ある雑貨店で、合図の言葉を「欲しい」と1つだけ登録した。2日間、DMは1通も出なかった。コメント欄を見に行くと、お客さんは「ほしい」「ほしいです」「欲しい!」と書いていて、漢字の「欲しい」だけの人がほとんどいなかった。言い方の違いを3つ足したら、その日の夜から届き始めた。合図の言葉は、投稿文の中で「『ほしい』とコメントしてください」と書き、登録もその通りのひらがなに合わせ、念のため漢字と「です」付きも足しておく。
どの投稿
まず1本だけ
どんな言葉
決めた言葉のみ
登録数
ひらがな・漢字・です付きの3つ
ステップ 04
コメント欄への公開返信と、DMの最初の1通を作る——最初の1通は「1つの部品」しか入らない
きっかけの次に、2つの返事を作る。1つ目は、コメント欄に出る公開の返信だ。「DMに送りました、見てみてください」のような短い文で、公式ヘルプによると、文章を何通りか登録しておくと、ManyChatが順番をばらして使ってくれる。同じ文が31件並ぶより自然に見える。2つ目が本体の、DMで送る最初の1通だ。ここに、公式が明記している制限がある。最初の1通に入れられるのは「1つの部品」だけ。文章か画像のどちらか1つで、そこにボタンや選択肢を付けることはできる。つまり「あいさつの文+PDFの画像+案内文」のように3つ並べて送ることはできない。冒頭の焼き菓子店なら、「レシピは、下のボタンから受け取れます」という1つの文と、「レシピを受け取る」の1つのボタン、で最初の1通は終わり。ここで詰め込みたくなる気持ちを、ぐっとこらえる。
公開返信
短い文を何通りか
DMの1通目
文章か画像を1つ+ボタン
やらない
1通目に3つ詰める
ステップ 05
相手がボタンを押すか返事をしたら、2通目を送る——渡したいものは、必ず2通目に置く
なぜ1通目を軽くするのか。公式ヘルプに、理由がそのまま書いてある。コメントに反応して送ったDMは、それだけでは相手を「こちらとやり取りする人」として登録しないし、「24時間の窓」も開かない。24時間の窓というのは、相手が何か行動してから24時間だけ、こちらから自由にDMを送れる決まりのことだ。この窓は、相手がこちらのDMに返事をするか、ボタンや選択肢を押したときに、初めて開く。だから、渡したいもの(レシピのPDF、クーポン、予約の案内)は、1通目ではなく、ボタンを押したあとの2通目に置く。ボタンを押した瞬間に窓が開き、2通目からは文章も画像も何個でも並べられる。さらに、ManyChatには「フォローしているか」で道を分ける部品が最初から入っている。フォローしている人にはそのままPDFを、していない人には「フォローしてから、もう一度ボタンを押してください」と返す。これも2通目の位置に置く。コメントをくれた人を、フォローと受け取りの両方に自然に運べる。
窓が開く条件
相手の返事かボタン押し
渡すもの
2通目に置く
分ける
フォローの有無で2本の道
1通目は、渡す場所ではなく、
相手に1回だけ押してもらう場所。
Comment → DM — 5 steps
コメントが来てから、2通目が届くまでの流れ
準備(ステップ 01・02) プロアカウント+メッセージへのアクセスを許可 Instagramアプリ側の扉を開ける ManyChatとInstagramをつなぐ 許可の画面は全部「許可」 動き(ステップ 03・04・05) 03 — お客さんがコメント 「ほしい」「欲しい」「ほしいです」のどれか → 仕組みが反応 04 — 公開返信 + DMの1通目 コメント欄「DMに送りました」/DM「下のボタンから受け取れます」+ボタン1つ 1通目は1つの部品だけ。まだ24時間の窓は開いていない お客さんがボタンを押す / 返事をする ここで24時間の窓が開く。以後は文章も画像も何個でも送れる 05 — フォローしている人 2通目:レシピ・クーポン・予約案内の本体 05 — フォローしていない人 2通目:「フォローしてもう一度押してください」 渡したいものは、必ず2通目に置く

設定したのに届かない時に見る、2つの場所

5つを組み終えて「公開」を押したあと、自分のもう1つのアカウントか、家族のアカウントから、決めた言葉でコメントを1件入れて試す。ここで届かないとき、見に行く場所は2つに絞れる。

1つ目は、ステップ01のスイッチだ。ManyChat側は正しくても、Instagram側の「メッセージへのアクセスを許可」がオフに戻っていることがある。アプリの更新や、担当者の入れ替わりのあとに起きやすい。私が支援に入った店で「昨日まで動いていたのに止まった」の原因は、この1つがいちばん多い。2つ目は、ステップ03の言葉だ。登録した言葉と、実際のコメントの言い方が、1文字でも違えば反応しない。雑貨店の「欲しい」と「ほしい」が、まさにそれだった。コメント欄を上から10件読んで、お客さんが実際に使っている言い方を登録に足す。

もう1つ、お金の話を先に書いておく。ManyChatの公式ヘルプによると、無料のプランは0円で、1か月に25人まで(その月に実際にやり取りした人の数)、同時に動かせる自動化は4本までだ。焼き菓子店のように1本のリールに31人が反応する店は、月の途中で25人を超える。超えた分は動かなくなるので、最初の1本を無料で試して、反応が続くようなら有料に上げる、の順番でいい。上げる前に、どのプランで何が変わるかは、公式の料金ページで、その時点の数字を確かめてほしい。

最後に:自動で返るのは「言葉」ではなく「時間」だ

9月15日の夜、焼き菓子店のオーナーが31人に手で送っていた文章は、全員に同じものだった。同じ文章を31回貼る40分は、お菓子を焼く時間でも、家に帰る時間でもなかった。翌週、5つの手順を一緒に組んで、次のリールでは42件のコメントに、オーナーは1件も手で返していない。返したのは仕組みで、オーナーは、2通目のあとに来た「ありがとう、作ってみます」という返事にだけ、自分の言葉で答えていた。

コメントに反応してDMを送る仕組みは、お客さんとの会話を機械に渡すものではない。同じ文章を貼る作業だけを機械に渡して、人にしか返せない返事の時間を、オーナーの手に戻すものだ。5つの手順は、慣れれば30分で組める。最初の1本は、いちばん反応の多い投稿ではなく、いちばん気軽にコメントしやすい投稿で試してほしい。届いた1通目を自分の目で見た瞬間に、夜10時40分のカウンターは、なくなる。

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