Zoomの画面共有に映った通知欄が、コメントで埋まっていた
6月のある夕方、佐賀の整体院オーナーとZoomをつないでいた。新作の回数券プレゼント企画を投稿した直後で、相手のスマホがひっきりなしに鳴っている。画面共有を切り替えた瞬間、通知欄が「参加します」「当たれー」というコメントで上から下まで埋まっていた。本人は笑っていたが、目は笑っていなかった。
その夜、彼女が何をしていたか。コメントした人を一人ずつタップして、フォローしているかを確認し、フォロワーだった人にだけ手でDMを送る。当選者を選ぶのも手作業。気づけば日付が変わっていて、翌日の予約準備にまったく手がつかなかったらしい。「盛り上がったのは嬉しいけど、もう二度とやりたくない」。次のZoomで出てきた本音がこれだった。
キャンペーンが失敗したわけではない。むしろ反応は良かった。問題は、盛り上がりの全部を人の手で受け止めようとしたこと。2026年のInstagramでは、この「収集・フォロー確認・抽選・当選DM」を丸ごと自動化する設計が当たり前になりつつある。今日は、キャンペーンを「景品配りのお祭り」ではなく「リスト獲得装置」に変える3つの設計を、ManyChat125社の構築実績から書いておく。
なぜ今、キャンペーンが「リスト獲得装置」になったのか
背景には、Instagramのアルゴリズムが見る指標が変わったことがある。2026年は「いいね」が補助指標へ格下げされ、リーチを広げる最重要シグナルがDMの送信数とシェアになった。つまり、投稿を見た人がDMでやり取りを始めるほど、その投稿は遠くまで届く。キャンペーンは、この「DMを動かす」を最も自然に起こせる仕掛けだ。
実際の数字も出ている。ある事例では、コメントトリガーと自動DMを組み合わせたキャンペーンで、1週間に約2万通のDMが自動送信され、そこからURL誘導で売上が約290%伸びた。星野リゾートのOMOはクイズ回答型のキャンペーンで、動画を見るきっかけそのものを設計に組み込んでいる。共通しているのは、景品を配って終わりにせず、参加者を一人残らずリスト化し、次の来店や購入まで自動でつなげている点だ。
もう一つ見逃せないのが、参加のハードルが下がったことだ。以前は「プロフィールのURLから応募フォームへ」という導線が当たり前で、途中で離脱する人が多かった。今は投稿にコメントするだけ、DMに一言返すだけで参加できる。指を動かす回数が減るほど参加者は増え、増えた参加者がそのままDMでつながる。アプリの外に連れ出さず、Instagramの中で完結させるほど成果が伸びるのが2026年の特徴だ。
裏を返すと、収集も当選DMも手作業のままだと、この仕組みの恩恵はゼロになる。冒頭の整体院オーナーのように、盛り上がるほど自分の時間が削られていく。仕組みがある人とない人で、同じキャンペーンが「資産」にも「消耗」にもなる。分かれ目は、次の3つの設計を持っているかどうかだ。
キャンペーンを自動化する3つの設計
ここからは、整体院オーナーの企画を作り直したときに実際に組んだ3つの設計を、1つずつ公開する。特別な開発は要らない。ManyChatのコメントトリガー、フォロー判定、ランダマイザーという既存機能の組み合わせで成立する。
作り直したら、深夜の作業が「ゼロ分」になった
この3設計を入れて、整体院オーナーの企画を翌月にもう一度走らせた。投稿の内容も景品も、前回とほとんど同じ。違うのは、裏側の動線だけだ。結果はわかりやすかった。前回は当選者対応とフォロー確認で深夜3時間つぶれていたのが、今回は本人の作業時間がほぼゼロになった。コメントが来た瞬間に受付DMが返り、フォロー判定が走り、抽選が回り、当選者へ予約URLが届く。彼女がやったのは、翌朝に流れてきた参加者リストを眺めて「思ったより多いね」と笑うことだけだった。
数字でいちばん効いたのは、リストの残り方だった。前回は「盛り上がって、終わって、何も残らなかった」。今回は参加した人が全員DMでつながった状態で残り、そのうち何人かは当選DMの予約URLからそのまま来店予約を入れた。ハズレた人にも次回クーポンを渡したので、後日その人たちへ別の案内を送れる。同じ景品代で、得られたものがまるで違う。これが「お祭り」と「リスト獲得装置」の差だ。
もう一つ見えたのは、フォロワーが自然に増えたこと。未フォローの参加者には「フォローで参加完了」の案内が自動で届くので、参加したい人が自分からフォローしてくれる。お願いして増やすのではなく、参加の流れの中でフォローが起きる。キャンペーンが終わるころには、フォロワーもDMリストも両方が増えていた。仕掛けを一度組めば、次のキャンペーンは投稿を差し替えるだけで同じ仕組みが動く。作り直しの手間も回を追うごとに小さくなる。
終わった後に何人とDMでつながったか。
お祭りを、そのままリストに変える。
仕組みを作る前に、踏んではいけない一線
自動化は強力な反面、設計を雑にやるとアカウントの警告につながる。短時間に大量のDMを一気に送る、フォロー外の相手に営業色の濃いメッセージを連投する——このあたりは2026年も変わらず危険ゾーンだ。だからこそ、送信のタイミングを分散させ、受け取った人が「ちゃんと自分宛に来た」と感じる文面にする。仕組みの速さと、人としての自然さを両立させる設計が要る。安全な設定の考え方は 「ManyChatでアカウント警告される3つのNG設定」 記事も参照してほしい。
そしてもう一つ。キャンペーンで集めたリストは、配って終わりにしないこと。当選者にはその後の来店フォロー、ハズレた人には別の特典、参加者全体には次の企画の案内。1回の盛り上がりを、何度も会話できる関係に変える。ここまで設計して、はじめてキャンペーンは資産になる。
「自社のキャンペーンを自動化したい」と思ったら
今日の3設計は、整体院という1業種の例で書いた。けれど構造は、飲食店の来店促進でも、ECの新商品告知でも、教室の体験申込でも同じだ。コメントで集めて、フォローで切り分けて、抽選で配って、全員をリストに残す。業種が変われば、景品とDMの言葉と来店導線を入れ替えるだけでいい。
SUICSは、この「収集・フォロー判定・抽選・当選DM」の動線を、ManyChat125社の構築実績をもとに設計から実装まで一気通貫でお渡しする。しかも、口で説明するだけでなく、実際に動くデモ画面を見てもらいながら進められる。投稿を見た人が、来店・予約まで人の手を介さずに進む——その状態を、自分のアカウントで再現したい人は、まず気軽に相談してほしい。今あるアカウントのまま、次のキャンペーンから仕組みを載せ替えることもできる。