Notes / LINE

ネイルサロンのLINE予約の作り方。
お客様が自分で日時を選べる形にする4つの設定と、管理画面に出ない2つの落とし穴

2026.09.08

8月14日の午後、自分のLINEから送った1件目の予約は、メニューを選んだところで止まった

8月14日、金曜の午後。事務所のパソコンで、ネイルサロン向けの予約の仕組みを一から組んで、自分のスマートフォンのLINEから「ワンカラー」を1件予約してみた。メニューは出た。ところが日時を選ぶ画面に進めない。画面には「このメニューを担当できるスタッフがいません」と出ている。パソコンの管理画面に戻ると、メニューもスタッフもきちんと一覧に並んでいて、赤い文字もエラーの表示も何ひとつ無い。

原因は、メニューとスタッフを「つなぐ」設定が別にあったことだった。それを直すと、今度は「この週に空きはありません」で止まった。こちらは、スタッフの出勤日を作っていなかったせいだ。どちらも管理画面には何も出ない。止まるのはお客様のLINEの中だけで、自分の画面を見ているかぎり気づけない。この日は、この2つを直してから、予約が管理画面の「未承認」に届くところまでを確かめて終わった。

ネイルサロンの現場で、施術中に鳴るLINEほど厄介なものはない。「その日空いてますか」に返せないまま夕方になる。空き時間を打ち返すやりとりが3往復して、結局その日は決まらない。手帳とLINEを見比べて返していて、二重予約が怖い。これを、お客様が自分でメニューと日時を選べる形に移す。今日は、その作り方を4つの設定に分けて書く。そして、8月14日に自分が踏んだ2つの落とし穴を、先に伝えておく。

先に結論——やることは4つ。メニューを登録し、スタッフを登録し、2つをつなぎ、予約画面のアドレスを取る

この記事で使うのは、LINE公式アカウントに外からつなぐ「LINE Harness(ライン・ハーネス)」という道具の、予約の機能だ。先に、この道具とSUICSの関係を書いておく。LINE Harnessは、第三者が開発して公開している、誰でも中身を見て使えるオープンソースの道具で、SUICSは開発元ではない。開発元の公開ページ(GitHub)によると、道具そのものの利用料は0円で、自分のCloudflare(クラウドフレア。サーバーを貸してくれる会社)のアカウントの上で動かす形になる。2026年9月8日時点の版はv0.21.0だった。SUICSは、この道具を利用者の立場で自分の手で動かし、その手順を写真つきの無料ガイドとして公開している。つまり、この記事は「使う側の記録」であって、道具を売る側の説明ではない。

予約の仕組みを作る手順は、大きく4つに分かれる。1つ目は、お客様が選ぶ施術の「メニュー」を登録すること。2つ目は、予約を受ける「スタッフ」を登録すること。3つ目は、その2つを「つなぐ」こと。4つ目は、お客様が予約する入口になる「予約画面のアドレス」をコピーして、LINEのメニューやプロフィールに置くことだ。慣れれば25分ほどで終わる。ただし、この手順に入る前に、LINE側で「LINEミニアプリ」という入れ物を自分で作っておく必要がある。そこにはLINEの規約への同意が含まれていて、お店を代表して契約を結ぶ行為にあたる。だからここだけは、誰かに代わりに押してもらわず、ご自身で規約を読んで判断してほしい。

いちばん伝えたいのは、1つ目と2つ目を終えただけでは動かない、ということだ。メニューを作り、スタッフを作ると、管理画面はすっかり完成したように見える。だが、お客様の画面に予約の枠が出るのは、3つ目の「つなぐ」を終えてからだ。ここを、順番に見ていく。

4つの設定と、そこで踏みやすい落とし穴

以下は、2026年8月14日に実際に触った管理画面の記録をもとにしている。画面の文言や最初から入っている数字は、その日のものだ。管理画面は今後変わる可能性があるので、違う表示が出たら、その画面の説明文を先に読んでほしい。

Step 01
メニューを登録する——数字の欄は「空」ではない。消してから入れ直す
管理画面の左に並ぶメニューを下まで送ると、「予約」という見出しの下に「メニュー」「スタッフ」「予約管理」の3つがある。まず「メニュー」を開き、右上の「+ 新規メニュー」を押す。入力する欄は「名前」「所要時間(分)」「料金(円)」の3つが必須で、「カテゴリ」「説明」は空でも進める。ここで最初の落とし穴がある。数字の欄が、空ではないのだ。所要時間は「60」、後バッファ(施術のあとに空けておく片づけの時間)は「0」、料金は「5000」、並び順は「0」が、最初から入った状態で開く。空欄に打ち込むつもりでいると、「入れたつもりが最初の数字のままだった」が起きる。消してから、自分の数字を入れ直す。もう1つ、料金の下にある「予約申込時に自動付与するタグ」という欄は、「— なし —」のまま触らない。ここで既存のタグ(お客様を分けるための目印)を選ぶと、予約が入るたびにそのお客様へ自動で目印が付き、その目印を使っている別の配信に巻き込んでしまう。すでに送られたメッセージは取り消せない。迷ったら選ばない。保存したら、同じ手順でもう1件足す。撮影のときは「ワンカラー 90分」と「デザインネイル(1本アート)120分」の2件にした。
必須の3つ
名前・所要時間・料金
数字の欄
消してから入れ直す
自動付与のタグ
「— なし —」のまま
Step 02
スタッフを登録する——ひとりのお店は「指名なし」を1件だけ作ればいい
次は「予約」の中の「スタッフ」を開き、右上の「+ 新規スタッフ」を押す。必須は「内部名(管理用)」と「表示名」の2つだけだ。内部名は自分だけが見る名前で、表示名がお客様の予約画面に出る。ここで、ひとりで回しているサロンの方がよく止まる。「スタッフなんていないから、飛ばしていいですか」と聞かれるが、飛ばすと日時を選べない。答えは、1件だけ作る、だ。内部名に「shimei-nashi」、表示名に「指名なし」と入れ、紹介文の下にある「「指名なし」枠(仮想スタッフ)」というチェックボックスを、自分で押してチェックを入れる。ここは最初はチェックが入っていない。これで、お客様に誰を指名するかを選ばせずに、日時とメニューだけで予約が終わる形になる。写真や役職の欄は空のままでも保存できた。スタッフが複数いるお店なら、ひとりずつ登録して、この枠にはチェックを入れない。ただ、まず「指名なし」1件で予約が通ることを確かめてから足すほうが、どこで止まったかが分かりやすい。
必須の2つ
内部名・表示名
ひとりのお店
「指名なし」1件で足りる
自分で入れるチェック
「指名なし」枠(仮想スタッフ)
Step 03
2つをつなぐ——「スタッフ割当」と「シフト」。ここが抜けても管理画面には何も出ない
ここが、8月14日に自分が2回止まった場所だ。つなぐ設定は2つある。1つ目は、メニューの一覧に戻り、行の右にある「スタッフ割当」を押して、Step 02で作ったスタッフの「提供する」にチェックを入れて保存すること。メニューが2件あれば、2件とも同じ操作が要る。これが抜けていると、お客様の画面はメニューを選んだところで「このメニューを担当できるスタッフがいません」と出て、先に進めない。2つ目は、スタッフの一覧で行の右にある「シフト」を押し、「曜日テンプレから一括生成」の表で、自分のお店の営業日と営業時間に直して「生成」を押すこと。撮影のときは日曜を休みにして、月曜から土曜に10:00から19:00を入れ、4週ぶんを作った。これが抜けていると、日時を選ぶところで「この週に空きはありません」と出る。どちらの場合も、管理画面はふつうに開き、メニューもスタッフも一覧に並んだままで、おかしいところは1つも見つからない。だから、この2つを終えたら、必ず自分のLINEから予約を1件送って確かめる。シフトは「週数」に入れたぶんしか作られないので、4週で作ったなら、1か月後にはまた「この週に空きはありません」に戻る。カレンダーに「シフトを足す日」を入れておく。
つなぐ設定 1
スタッフ割当 →「提供する」
つなぐ設定 2
シフト → 営業日と時間で生成
終わったら
自分のLINEから1件送る
管理画面が完成して見えるときほど、
お客様の画面は、
まだ動いていない。
LINE Booking — 4 settings, 2 hidden links
メニューとスタッフの「あいだ」に、目に見えない設定が2つある
管理画面で見えるもの(一覧に並ぶ) STEP 01 メニューを登録 数字は消してから入れ直す STEP 02 スタッフを登録 ひとりなら「指名なし」1件 STEP 03 — つなぐ 管理画面には何も出ない つなぐ設定 1:メニューの「スタッフ割当」→「提供する」にチェック 抜けると → お客様の画面に「このメニューを担当できるスタッフがいません」 つなぐ設定 2:スタッフの「シフト」→ 営業日と時間で「生成」 抜けると → お客様の画面に「この週に空きはありません」 STEP 04 予約画面のアドレスを取り、自分のLINEから1件送る 届いた予約は「未承認」に入る。承認して初めて確定。

Step 04:予約画面のアドレスを取って、置く。そして、届いた予約は「未承認」に入る

つなぐ設定が終わったら、アカウントの設定画面に「お客様向け 予約フォーム LIFF URL」という欄が出る。これが、お客様が予約する入口のアドレスだ。コピーして、LINE公式アカウントのリッチメニュー(トーク画面の下に出る大きなボタン)や、あいさつメッセージ、Instagramのプロフィールに置く。置き先は1つでいい。まずはリッチメニューの「予約する」ボタンに置くのが、いちばん押されやすい。

ここで1つ、運用の話をしておく。お客様が送った予約は、その場では確定しない。管理画面の「予約管理」の「未承認」に、リクエストとして届く。承認して初めて確定し、承認しないまま置いておくと期限切れになる。「自分で受けるかどうかを決められる」のは安心材料だが、裏を返せば、毎日1回「未承認」のタブを見る習慣が要る。朝、店を開ける前に見る。それだけで足りる。

用意しておくものを、先に紙に書き出しておくと早い。次の形で足りる。

【LINE予約を作る前に書き出すメモ】 メニュー1:ワンカラー       90分+片づけ10分 6,600円 メニュー2:デザインネイル(1本) 120分+片づけ10分 8,800円 スタッフ:指名なし(1件) 営業日:月〜土 10:00〜19:00 / 日曜は休み シフトを作る週数:4週 → 次に足す日:10月上旬(カレンダーに入れる) テスト:自分のLINEから「ワンカラー」を1件送る → 「未承認」に届いたら完成

このメモがあれば、管理画面で迷う時間はほとんど無くなる。迷うのは「何を載せるか」を決めていないときで、画面の操作そのものではない。載せるメニューは、最初は2〜3件でいい。全部のメニューを載せてから始めようとすると、いつまでも始まらない。

最後に:予約は増えるとは限らない。減るのは「返せないまま夕方になる」時間だ

正直に書いておくと、この仕組みを入れて予約が増えることを約束はできない。何を、いくらで、どのくらいの時間で提供するかは、これまでどおりご自分で決める部分で、そこが変わらなければ、お客様の数も急には変わらない。減るのは、施術中に鳴るLINEに手を止めるか、お客様を待たせるかの二択になっていた時間だ。その時間の分だけ、目の前のお客様の手元に集中できる。

8月14日に自分が踏んだ2つの落とし穴は、どちらも「管理画面に何も出ない」ものだった。だから、この記事でいちばん覚えて帰ってほしいのは、4つの設定の中身より、最後に自分のLINEから1件送ってみる、という一手だ。管理画面が完成して見えるときほど、お客様の画面はまだ動いていないことがある。1件送って、「未承認」に届くのを見てから、リッチメニューにボタンを置く。その順番だけは、守ってほしい。

この記事の4つの設定を、実際の画面写真17枚で順番に進めたい方へ

メニューの登録から、「指名なし」のチェック、スタッフ割当とシフト、予約画面のアドレスのコピーまで。
8月14日に自分の手で触った画面を、そのまま17手順に並べた無料ガイドを公開しています。
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