8月14日の午後、自分のLINEから送った1件目の予約は、メニューを選んだところで止まった
8月14日、金曜の午後。事務所のパソコンで、ネイルサロン向けの予約の仕組みを一から組んで、自分のスマートフォンのLINEから「ワンカラー」を1件予約してみた。メニューは出た。ところが日時を選ぶ画面に進めない。画面には「このメニューを担当できるスタッフがいません」と出ている。パソコンの管理画面に戻ると、メニューもスタッフもきちんと一覧に並んでいて、赤い文字もエラーの表示も何ひとつ無い。
原因は、メニューとスタッフを「つなぐ」設定が別にあったことだった。それを直すと、今度は「この週に空きはありません」で止まった。こちらは、スタッフの出勤日を作っていなかったせいだ。どちらも管理画面には何も出ない。止まるのはお客様のLINEの中だけで、自分の画面を見ているかぎり気づけない。この日は、この2つを直してから、予約が管理画面の「未承認」に届くところまでを確かめて終わった。
ネイルサロンの現場で、施術中に鳴るLINEほど厄介なものはない。「その日空いてますか」に返せないまま夕方になる。空き時間を打ち返すやりとりが3往復して、結局その日は決まらない。手帳とLINEを見比べて返していて、二重予約が怖い。これを、お客様が自分でメニューと日時を選べる形に移す。今日は、その作り方を4つの設定に分けて書く。そして、8月14日に自分が踏んだ2つの落とし穴を、先に伝えておく。
先に結論——やることは4つ。メニューを登録し、スタッフを登録し、2つをつなぎ、予約画面のアドレスを取る
この記事で使うのは、LINE公式アカウントに外からつなぐ「LINE Harness(ライン・ハーネス)」という道具の、予約の機能だ。先に、この道具とSUICSの関係を書いておく。LINE Harnessは、第三者が開発して公開している、誰でも中身を見て使えるオープンソースの道具で、SUICSは開発元ではない。開発元の公開ページ(GitHub)によると、道具そのものの利用料は0円で、自分のCloudflare(クラウドフレア。サーバーを貸してくれる会社)のアカウントの上で動かす形になる。2026年9月8日時点の版はv0.21.0だった。SUICSは、この道具を利用者の立場で自分の手で動かし、その手順を写真つきの無料ガイドとして公開している。つまり、この記事は「使う側の記録」であって、道具を売る側の説明ではない。
予約の仕組みを作る手順は、大きく4つに分かれる。1つ目は、お客様が選ぶ施術の「メニュー」を登録すること。2つ目は、予約を受ける「スタッフ」を登録すること。3つ目は、その2つを「つなぐ」こと。4つ目は、お客様が予約する入口になる「予約画面のアドレス」をコピーして、LINEのメニューやプロフィールに置くことだ。慣れれば25分ほどで終わる。ただし、この手順に入る前に、LINE側で「LINEミニアプリ」という入れ物を自分で作っておく必要がある。そこにはLINEの規約への同意が含まれていて、お店を代表して契約を結ぶ行為にあたる。だからここだけは、誰かに代わりに押してもらわず、ご自身で規約を読んで判断してほしい。
いちばん伝えたいのは、1つ目と2つ目を終えただけでは動かない、ということだ。メニューを作り、スタッフを作ると、管理画面はすっかり完成したように見える。だが、お客様の画面に予約の枠が出るのは、3つ目の「つなぐ」を終えてからだ。ここを、順番に見ていく。
4つの設定と、そこで踏みやすい落とし穴
以下は、2026年8月14日に実際に触った管理画面の記録をもとにしている。画面の文言や最初から入っている数字は、その日のものだ。管理画面は今後変わる可能性があるので、違う表示が出たら、その画面の説明文を先に読んでほしい。
お客様の画面は、
まだ動いていない。
Step 04:予約画面のアドレスを取って、置く。そして、届いた予約は「未承認」に入る
つなぐ設定が終わったら、アカウントの設定画面に「お客様向け 予約フォーム LIFF URL」という欄が出る。これが、お客様が予約する入口のアドレスだ。コピーして、LINE公式アカウントのリッチメニュー(トーク画面の下に出る大きなボタン)や、あいさつメッセージ、Instagramのプロフィールに置く。置き先は1つでいい。まずはリッチメニューの「予約する」ボタンに置くのが、いちばん押されやすい。
ここで1つ、運用の話をしておく。お客様が送った予約は、その場では確定しない。管理画面の「予約管理」の「未承認」に、リクエストとして届く。承認して初めて確定し、承認しないまま置いておくと期限切れになる。「自分で受けるかどうかを決められる」のは安心材料だが、裏を返せば、毎日1回「未承認」のタブを見る習慣が要る。朝、店を開ける前に見る。それだけで足りる。
用意しておくものを、先に紙に書き出しておくと早い。次の形で足りる。
このメモがあれば、管理画面で迷う時間はほとんど無くなる。迷うのは「何を載せるか」を決めていないときで、画面の操作そのものではない。載せるメニューは、最初は2〜3件でいい。全部のメニューを載せてから始めようとすると、いつまでも始まらない。
最後に:予約は増えるとは限らない。減るのは「返せないまま夕方になる」時間だ
正直に書いておくと、この仕組みを入れて予約が増えることを約束はできない。何を、いくらで、どのくらいの時間で提供するかは、これまでどおりご自分で決める部分で、そこが変わらなければ、お客様の数も急には変わらない。減るのは、施術中に鳴るLINEに手を止めるか、お客様を待たせるかの二択になっていた時間だ。その時間の分だけ、目の前のお客様の手元に集中できる。
8月14日に自分が踏んだ2つの落とし穴は、どちらも「管理画面に何も出ない」ものだった。だから、この記事でいちばん覚えて帰ってほしいのは、4つの設定の中身より、最後に自分のLINEから1件送ってみる、という一手だ。管理画面が完成して見えるときほど、お客様の画面はまだ動いていないことがある。1件送って、「未承認」に届くのを見てから、リッチメニューにボタンを置く。その順番だけは、守ってほしい。